OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2013年新作

2013年観た映画ベスト10

とにかく迷いました。少なくとも、節操の無さという意味では、他の追随を許さないのではないかと自負しております。 余談だが、尊敬する映画評論家・町山智浩さんが以前自身のブログにこのようなことを書いていた。 「何も憎めない奴に、何かが本当に愛せる…

2013年観た映画ランキング(30位−11位)

ここらへんなんですけど、もうベスト10級というよりも、僕としては30位から21位までとか20位から11位までとかは、ほとんど裏ベストと裏の裏ベストを考えるようなかたちで作りました。 30位 パラノーマン〜ブライスホローの謎〜 とてもよくできたアニメ。技術…

2013年観た映画ランキング(50位−31位)

このあたりに来ると、ベスト10入りを一瞬は考えたような作品も出てきます。こんな順位つけてごめんなという枠です。 50位 愛、アムール フューチャーの先に待つもの。ぼくはこの映画にも51位に挙げた『ザ・フューチャー』に通じる退屈を感じた。似た演出意図…

2013年観た映画ランキング(75位−51位)

このあたりから、順位は低いけれど思い入れもあるといった作品も見えてきます。 特に、53位から51位にかけては、裏ベストといってもいいかもしれません。 75位 テッド そこまで嫌いじゃない。満席の会場で観てわりかし幸福な気分にはなれた。 ただ、やっぱり…

2013年観た映画ランキング(108−76位)

年の瀬のほど、いかがお過ごしでしょうか。 さて、毎年恒例(といっても2年目だが)の、今年公開の映画全部に順位をつけて、そのひとつひとつにコメントしていくというやつをやろうとおもいます。 完全に自己満足の企画ですが最後までおつきあいいただけると…

『舟を編む』(★★★★★)

2013/11/7鑑賞(DVD) 三浦しをんのベストセラー小説を『川の底からこんにちは』('10)等で知られる石井裕也監督が映画化。辞書作りを一生の仕事として選んだ青年・馬締を松田龍平が演じる。 原作既読で鑑賞。非常に楽しめました。 いきなり私事で申し訳ないが…

『県庁おもてなし課』(★★☆☆☆)

有川浩と三宅喜重(関西テレビ)のタッグは『阪急電車〜片道十五分の奇跡〜』('11)に続き二作目。 嫌いではないです。日曜の昼下がりに見るにはいい映画でした。 そもそもの問題なのだけど、原作の有川浩という人は「ラブコメを描きたい」という強固な作家性…

『スプリング・ブレイカーズ』(★★★★☆)

まず映像がかっこいい!PV的ではあるのだけれども、クラブミュージックの持つ高揚感とともに、合間に感じる寂寞をも表現していて文学性すら感じた。どことなくアメリカンニューシネマの香りもする。 最近の作品で類似点を指摘しやすい映画といえば、『プロジ…

『千年の愉楽』(★★★★★)

昨年事故死した若松孝二監督の遺作。中上健次の同名連作短編集を映画化。出演は寺島しのぶ、高良健吾、高岡蒼祐、染谷将太等。 不謹慎な言い方だが、若松孝二監督これが遺作だなんてかっこよすぎるでしょ!ぼくはこの先が観たかったよ。 まず思ったのが、本…

『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(★★★★☆)

大泉洋が主演を務める『探偵はBARにいる』('11)の2作目。友人のマサコ(ゴリ)が殺されたことを追う主人公は暗い闇に呑み込まれていく。 日本の娯楽映画で、出来が及第点以上だとそれだけで評価甘くなってしまう傾向があるのだが、それを差し引いても傑作! …

『セデック・バレ』(★★★★☆)

日本占領中の台湾で起こった「霧社事件」を一大スペクタクルで映画化! 政治的なデリケートさがあるためこの言葉を使うのが不謹慎かもしれないが、娯楽として素晴らしかった。日本映画黄金期を思わせられる。 ただ、確かに台湾統治時の日本の蛮行を描いては…

『そして父になる』(★★★★☆)

2013/10/4@シネマQ 2013/10/25@新宿ピカデリー ※内容に触れています はじめに、総評として。 実は『凶悪』以上に痛いところを突かれた気がした作品であります。それと、『桐島、部活やめるってよ』と同様の問題を扱っているように思います。どちらも問題提…

『映画「立候補」』(★★★★★)

平成23年の大阪府知事選挙において、マック赤坂をはじめとする泡沫候補とされた候補者の姿に迫るドキュメンタリー映画。 まず考えたのは。この映画、完全にこの歌の世界↓ マック赤坂にせよ外山恒一にせよ羽柴秀吉にせよ(この映画には出ていないけど)又吉イ…

『セレステ∞ジェシー』(★★★★★)

当初4館の限定公開から586館まで拡大公開を成し遂げた恋愛映画。主演のラシダ・ジョーンズ(クインシー・ジョーンズ)自身の経験がもとになっているらしい。『ルビー・スパークス』('12)といい、経験をもとにした物語を女優本人が演じると言うのはトレンド…

『フィギュアなあなた』(★★★☆☆)

これは石井隆が時々撮るワンアイディアな小品だ。つまり、『フリーズミー』('00)路線。それゆえの物足りなさは残る。 序盤の社畜描写で心折れかけた。 いやー、変な映画だった。おそらくは是枝裕和監督『空気人形』('09)に対する石井隆監督なりの解釈なんだ…

『パッション(2012年版)』(★★★★★)

やばい!さいこう!ふるえが止まらねえ! 『パッション』はもうとにかく、映画で得られる快楽が全て詰め込まれたような映画だった! そのために同時代性だの政治性だの説教くさいメッセージだのを一切取り払った構成が潔い! やるならここまでやれよと! 見…

『あの頃、君を追いかけた』(★★★★☆)

台湾で大ヒットしたネット小説を原作者のギデンズ・コー自身がメガホンをとって映画化した作品。 問題児コートンと優等生シェンとの間の10年間にわたる恋愛を90年代青春風景やコメディを交えて描く。 くぅーーーっ!染みるねえ。 主人公たちの世代はぼくより…

『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』(★★★★★)

ほぼ無名キャストと監督の作品ながら、サンダンス映画祭で喝さいを浴び、主演のクヮヴェンジャネ・ウォレスはアカデミー主演女優賞に最年少でノミネートされた。監督のベン・ザイトリンはぼくと2つしか歳が変わらなかった。 作品の感想、とてもよかったです…

『華麗なるギャツビー(2013年版)』(★★★★☆)

スコット・フィツジェラルドによるアメリカ文学史に燦然と輝く小説を、『シカゴ』('02)等ミュージカル映画における仕事で知られるバズ・ラーマン監督が映画化。 ギャツビーというキャラクターがアメリカの青春を象徴しているキャラクターであるため、映画そ…

『凶悪』(★★★★☆)

文字通り「凶悪」な映画解説 死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面…

『偽りなき者』(★★★★☆)

デンマークの監督、トマス・ヴィンターベアの2012年作品。「子供と酔っぱらいは嘘をつかない」というのはデンマークの諺らしいが、この映画は保父であるルーカス(マッツ・ミケルセン)が子どものついた嘘によって性的虐待者の濡れ衣を着せられて追い詰めら…

『監禁探偵』(★☆☆☆☆)

夏菜と三浦貴大W主演のシチュエーションスリラー。 嫌いではないが、正直言って完成度は低いと思います。元々、映画の持つルールと推理モノのもつルールって相いれないところがあって相性が良くないのですが、これはまさにその部分が出たかなと。 低予算映画…

『オブリビオン』(★★★★☆)

トム・クルーズ主演のSF作品。監督はジョセフ・コシンスキー。異星間戦争により荒廃した地球に住む男・ジャックは不可思議な夢を見る・・・。 傑作じゃないですか!とにかく見ていて気持ちのいい画と音楽が続いて、正直に告白すると途中で眠くなり、最初から…

『アイアンマン3』(★★★☆☆)

マーベル系列作品の中では一番好きかもです。ただ、ある程度偏った見方ではあるものの。その理由は以下に述べます。 ジョン・ファブローからシェーン・ブラックへ監督が変わったこともあってか、序盤から実にシリアスなトーンで、これは今までのアイアンマン…

藁の楯(★★★★☆)

木内一浩原作小説を三池崇史監督が映画化。十億円の懸賞金と引き換えに殺害を依頼された凶悪犯を護送する過程を描く。出演は大沢たかお、松島菜々子、藤原竜也等。 素晴らしいじゃん!確かにお話として強引なところはあるけれども、このお話の持つ寓意、そし…

『リンカーン』(★★★★☆)

スピルバーグが長年とりかかってきたリンカーンについての映画。憲法修正第13条が議会で審議される過程を描く。リンカーンを演じるのはダニエル・デイ・ルイス。 贅沢な画面の連続。リンカーンの伝記映画というアプローチを少し外した構成。はっきり言って勉…

『AURA〜魔竜院光牙最後の戦い〜』(★★★★★)

田中ロミオ原作のライトノベルを『瀬戸の花嫁』('07)『Angel Beats!』('10)等を手掛けた岸誠二が監督。いわゆる「中二病」の少女との巻き込まれた少年の交流を描く。 初めに言っておく。これは映画としてもアニメとしても大したことないし、たぶん歴史には残…

シュガー・ラッシュ(★★★★★)

SR シュガー・ラッシュのラルフ解説 ヒーローにあこがれる人気ゲームの悪役を主人公に描くディズニー・アニメーション。アメリカで長年親しまれているアーケードゲーム「Fix-It Felix」の悪役キャラ、ラルフは、嫌われ者の悪役を演じ続けることに嫌気がさし…

マン・オブ・スティール(★★★☆☆)

スーパーマン≒アメリカ スーパーマンlovesエイミー・アダムズ すなわち、 アメリカlovesエイミー・アダムズ解説 「ダークナイト」のクリストファー・ノーランが製作、「300 スリーハンドレッド」のザック・スナイダー監督のメガホンでリブートされた新たな「…

ダークホース〜リア獣エイブの恋〜(★★★★☆)

あばばあばばあばば 解説 「ウェルカム・ドールハウス」「ハピネス」などで知られる鬼才トッド・ソロンズが、オタク青年の恋の行方をシニカルに描いたドラマ。父親が経営する会社で働く30代の独身男エイブは、フィギュア収集が趣味のマザコンオタク。そんな…