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最近は比較的心の調子がいい。今の自分が一番ストレスを感じることはひょっとすると選挙結果が思うようなものでなかった時かもしれない。 『劇場版センキョナンデス』は、芸人のプチ鹿島とラッパーのダースレイダーによるyoutube番組『ヒルカラナンデス』の…
フィリピンの監督、ブリランテ・メンドーサの2016年作品。マニラのスラム街を舞台に、麻薬売買で逮捕された夫婦を描く社会派作品。ブリランテ・メンドーサ作品は初めて観ました。 社会派作品を語る手法を僕は持っていないのかもしれない。フィリピンの貧困に…
EXILEを始めとするプロジェクトLDHが中心になって製作された『HIGH&LOW』シリーズの劇場版2作目(スピンオフ除く)。 熱狂的なファンの多い作品であるので、批評には勇気がいるのだけれども、個人的にはそこまで合わなかったというのが正直なところ。 たとえ…
劇団イキウメの舞台およびこれを原作とした前川知大の小説を原作とした黒沢清の長編映画。日本公開を基準に考えると前作『ダゲレオタイプの女』('16)より10か月ぶりとなる。 誰かが言った。この映画は黒沢清らしくない。またある人は言った。この映画には黒…
マッドハウス製作の長編オリジナルアニメ映画。女子高生たちが夏休みにミニFMを通して交流する姿を描く。 さて、オリジナル企画だ。たとえば『君の名は。』('16)なら新海誠の文脈が、『ポッピンQ』('16)ならプリキュアを始めとする東映アニメーションの文脈…
是枝裕和監督の1年ぶりの13本目となる長編映画。主演は『そして父になる』('13)以来となるタッグの福山雅治に、意外にも初出演となる役所広司。 黒い黒い黒い。そもそも最近の是枝監督の映画は、ポスターが白を基調とした淡いイメージにも関わらず、いざ本…
住野よるによる小説の映画化。2017年製作。監督は『黒崎くんの言いなりになんかならない』('16)などで知られる月川翔。長編としては2011年のデビュー以来、11作目となるらしい。スゲェ! 内容は、内気な図書委員の高校生(北村匠海)が膵臓に病気を抱えて余…
イギリス出身のコメディを得意とする監督エドガー・ライトの長編としては4年ぶり5作目となるクライムアクション。 サイモン・ペッグらとタッグを組んだスリー・フレイバー・コルネット三部作に『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!』('14)で決着をつ…
個性派俳優として活躍するジョエル・エドガートンの監督作品『ザ・ギフト』はとても優れたホラー映画であり、社会の縮図を写し取ったような寓意性にも富んでいます。釈然としない終盤の展開には「イヤミス」を感じた。※ 以下、ネタバレします学生時代にサイ…
※ 内容に触れています『永い言い訳』に対する永い言い訳を書こうと思う。映画としては、正直「意味」を求めすぎていて楽しめない部分はあった。しかし、この映画が問いかけた「意味」に対しては、自分なりの誠実さをもって応えなくてはいけない気がする。ま…
山戸結希監督『溺れるナイフ』('16)を観たときに感じたものを正直に申せば、それは疎外感だ。例えば、長回しの多様に相米慎二の影響だとか、アフレコの使い方に神代辰巳の影響だとか、土着性の描き方に柳町光男の影響だとかを指摘することはできるかもしれ…
久々にオールタイムベスト映画を更新。前に作ったベストとはだいぶ変わっているので大目に見てください。 1.捜索者(1956) ジョン・フォード The Searchers 2.東京暮色(1957) 小津安二郎 Tokyo Twilight 3.天は全て許し給う(1955) ダグラス・サーク All…
ツイッターに投稿した内容とほとんど同じだけれども、ブログにも残しておきます。10位『ヴィジット』(M.ナイト・シャマラン) まさかシャマラン監督作がトップ10に入るとは。同監督作ということを抜きにしても、極上のホラー映画を劇場で楽しんでいるという…
「ひとつ言わせてくれ。希望は危険だ。希望は人を狂わせる。」(『ショーシャンクの空に』) 例えば、苛々することがあって独り言をわめいている時に「まるでアツシだな」と思う。あるいは、忙しいのかどうかは知らないが自分の用事がほっておかれて苛立って…
d.hatena.ne.jp 年末恒例のワッシュさんのベスト企画に乗っからせていただきたく存じます。 さて、音楽映画。多分映画ファンで、音楽はまったく聴かないって人はあまりいないと思います。だからこそ、映画を観ていてこう思った方は多いんじゃないでしょうか…
『ピッチ・パーフェクト』('12/ジェイソン・ムーア)は声で始まる。フライング気味に、ユニバーサルのロゴに被せてテーマ曲をアカペラで流す遊びと共に、男性コーラスグループが踊りながらステージ上で唄う。ここで唄っているのは このページによれば リアー…
時たま、作品についてdisられているのがまるで自分のことのように感じられることがある。それは、自分でその作品を好きだと思っているかどうかに限らない。好きではあるけどdisられても痛くも痒くもない作品もあるし、はっきり言ってしまえば今回取り上げる…
かたや増村保造監督作品の中でも人気の高い映画。かたやフジテレビにて放映されていた恋愛バラエティ番組の劇場版。制作時期に50年以上も隔たりがあり、おそらくはこの二つのどちらも好きだという人はまれだと思うが、この二つを並べて見えてくるものがあっ…
音楽は「音を楽しむ」ものだとよく言われる。当然英語圏の映画でこの言いまわしが出てくることはない。けれども、ある程度歳をとると、その言葉が欺瞞ではないかとさえ思えてくる。少なくともプロにとっては。ひょっとするとそこまで競争的に思えない音楽で…
予告編を見たとき、これは「うつ」をテーマにした映画ではないのかと思っていた。さすがピクサー!踏み込むぜ!と思っていたら少し違った。 おそらくは、だ。そう思った理由は、ライリーのパートの色調がかなり暗くなっていたからだろう。 けれども、あの暗…
「考えられるだけのいい女」の代名詞として出すのにふさわしい女優、今なら誰になるだろう? それは、男子同士でコマーシャルなどでよく見かける日本の女優さんの話をしていたのに、「おまえそれは反則だよ!」てな具合にその人の名前を出したらそこで話が断…
今年は日本で公開されるスパイ映画が連続している。 『キングスマン』9月11日公開予定 『コードネーム U.N.C.L.E.』11月12日公開 『007 スペクター』12月4日公開 これでポール・フェイグ監督メリッサ・マッカーシー主演の『Spy(原題)』が10月に公開してく…
日常で抱えている鬱憤と作品の発するメッセージが一致する瞬間がある。そういった瞬間のために僕は映画を見ている。 最近少し嫌なことがあった。「強い者」が自分より弱いと思い込んでいる相手を選んで喧嘩を売り、さらに強い者からの攻撃はうまくかわして世…
アイドルに夢中になったことはない。 確か中学高校の頃は広末涼子とか優香がいたし、モーニング娘。も全盛期だったけど、当時の僕はロックが好きで、自分で曲を作って自分で唄うことこそ芸術表現だと思い込んでいた(もちろん今はそう考えていません)。あと…
結構、気を遣っている。 2015年現在、細田守、という監督を巡る言説についてはいろいろややこしい。 はじめに、細田守作品の持つ思想や雰囲気が苦手という人と好きという人がいて、まずここで評価が分かれる。細田守作品はこういった思想を持っているので苦…
髪がピンクの少女に出会ったのは人生のエアポケットの時期だった。 と、書くとなにやら怪しいロリータ小説でも始まりそうだが、なんのことはない。人生の中で少々落ち込んでいた時期に『少女革命ウテナ』('97/幾原邦彦)を観て感銘を受けたということだ。 決…
夏である。特に今年の夏は猛暑だ。そこで冷ややかな映画を紹介したい。 90年代の日本映画には夏の香りがする。特に、あのフィルムのざらつきが、他のどの時代のどの国の映画よりも「夏」を思い起こさせる。 僕は勝手にその感触を「夏のぬけがら」感と呼んで…
平成27年8月1日から公開された映画『進撃の巨人 Attack of titan』('15/監督:樋口真嗣)にて特殊造形を担当した西村喜廣(またの名を西村映造)さんのツイートが炎上している。みんな映画はハリウッドがいいんだね!じゃあハリウッド映画だけ観ればいいよ…
「物事を始めるのに遅すぎることなんて無い」なんて嘘っぱちだ。サボっていたツケは必ず払わされるし、若い時からコツコツやっていた連中には敵わない。それでも、始めないという選択肢は、無い。 『百円の恋』('14/監督:武正晴)。実家でニート暮らしを…
椎名林檎がフジロックに出演した際に以前のツアーでグッズとして販売された旭日旗が振られたことについてあちこちで話題になった。個人的な所感としては、たとえそれがユーモアだったにせよ、椎名林檎サイドもデリケートさに欠けていたかなという印象を持っ…