OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

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『私の男』(熊切和嘉) ★★★★☆

2014/6/17@桜坂劇場 この映画については、二階堂ふみの演技については恐ろしさを感じるくらい完璧だと思うと同時に、やっぱり熊切監督の演出はあまり肌に合わないと実感した。 熊切監督の映画は近藤龍人さんの撮影による寒々としているけれども美しい風景が…

『グランド・ブダペスト・ホテル』(ウェス・アンダーソン)  ★★★★★

2014/6/15@シネマQ ちょう最高!至福の100分。21世紀に入ってからのウェス・アンダーソン最高傑作では? 一緒にこの映画観た彼女は初めてウェス・アンダーソン作品を観たのだけれども、楽しめたと言っていたので、おそらく映画マニアだけに訴求する作品で…

『チョコレートドーナツ』(トラヴィス・ファイン) ★★★☆☆

2014/6/15@桜坂劇場 タイトルとは打って変わってかなりビターな映画だった。非常に有意義な問いかけであると思う。 多くの人の胸に訴えかける物語であり、メッセージ性が重要な作品奈緒で本当はあれこれ批評するのは的外れなのかもしれないです。けれども、…

『黒執事』(大谷健太郎、さとうけいいち) ★★★

レンタルBlu-Rayで鑑賞。惜しいなあ。十分面白くできそうなのに。西洋を舞台にした原作をパラレルワールドに置き換えた発想は悪くないし、美術もがんばっているので、設定を突き詰めて、あと演出の改善を行えば十分良作になれたのに。 昔くりいむしちゅーの…

『スノーピアサー』(ポン・ジュノ) ★★★★★

レンタルBlu-Rayで鑑賞。とてもよかった。ポン・ジュノすごい。ただ、正直なところすべてを受け止めきれなかったかも。 この映画は実はハリウッド映画ではない。出資国にアメリカはいるが、撮影はチェコだし、そして何より韓国映画だ。韓国の映画に世界各地…

『ウォールフラワー』(スティーブン・チョボウスキー)

レンタルDVDで鑑賞。 青春を決して過大評価も過小評価もせず描いている(そりゃエマ・ワトソンが演じることで生じる付加価値はあるが)。 なんというか、この映画を語っているとどんどん自分語りが出てきそうなんで、少し調節しながら話したいわけです。数年…

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(ジム・ジャームッシュ)

レンタルDVDで鑑賞。夜の映画。この映画はいくつもの相反した要素を併せ持ちながら進んでいく。古い技術/新しい技術、闇/光、生/死、男/女。そして辿り着く先。 おそらく僕が言わなくてもこれまでに百万人が言ったことだとは思うが、音楽や文学を愛する…

『ポール・ヴァーホーヴェン トリック』(ポール・ヴァーホーヴェン) ★★★★★

レンタルDVDで鑑賞。 冒頭4分間を映像化して公開し、それから先の脚本を一般公募したという実験的な作品。いわゆるヴァーホーベン的な悪趣味が、映像的に出てきているのは実はこの4分間だったりする。つまり、トイレの中に見えるあれですね。 私はどうしても…

『四月物語』(岩井俊二)

レンタルBlu-Rayで鑑賞。 久々に観た。大学入学当時というこの時期を切り取ってくれるだけで傑作認定したい。タイトルに反してほとんど物語はないにも関わらず女の子のスター性でひっぱるのはこれと『もらとりあむタマ子』くらいでは。 実は、中盤に回想で北…

『アデル、ブルーは熱い色』(アブデラティフ・ケシシュ) ★★★★★

輸入版Blu-Rayを英語字幕付きで鑑賞。ファーストシーンから「あ、これ俺の好きな演出だ」というのが冴えわたっている映画。とてもよかった。 とはいえ、この映画は別段新しいことをしているわけではない。ストーリーは私の拙い英語力でも理解できるくらいシ…

『鷹の爪7 女王陛下のジョブーブ』(FROGMAN) ★★★★★

youtubeで鑑賞。いやー、これはまさにナーメテーター。普通によかったし、泣けた。 「働く」というテーマに絞った脚本もよかった。けれども、僕がなんでこのあまりなじみのないキャラクターが出てくるフラッシュアニメに引き込まれたかというと、その多くは…

『アイドル・イズ・デッド』(加藤行宏)

レンタルDVDで鑑賞。 おもしろかった!既存のアイドル映画×とあるジャンルといった趣なのだけれども、まだレンタル始まったばっかりだし、どんなジャンルかも伏せておく。どんなジャンルかも知らずに観てびっくりしてほしいという気持ちがあるので。 僕に至…

『アイドル・イズ・デッド ノンちゃんのプロパガンダ大戦争』(加藤行宏) ★★★★

レンタルDVDで鑑賞。こんな映画観たことない!いや、実は一個だけ近い映画がある。言うならばこれはBiS版『愛のむきだし』だ。 1作目はジャンル映画にBiSという素材を乗っけて、そのケミストリーを楽しむところが大きかったが、今作は発展形としてBiSを中心…

『白鳥麗子でございます!』(小椋久雄)

日本映画専門チャンネルで放送していたものを視聴。 とりあえず、画質が綺麗だった。素人考えだけど、ハンディカムも多いし撮影はフィルムじゃないのかもな。 やっぱりさ、登場人物に「まあ、あそこにいい男がいるわ」と言わせてはいけないと思う。そして、…

『ブラックホーク・ダウン』(リドリー・スコット)

レンタルBlu-Rayにて鑑賞。 改めてブルーレイで観ると隅々まで構成された画面や色彩にうっとりする。けれども描かれるのは悲惨な戦場。このバランスがリドリー・スコットらしい。 正直、自分の中で好きか嫌いかはっきりした作品ではない。まだ咀嚼しきれてい…

『浮き雲』(アキ・カウリスマキ)

レンタルDVDで鑑賞。かなり好き。今まで見た中では一番見やすいと思った。アキ・カウリスマキ監督の円熟を感じた。初心者にもおすすめかも。 カウリスマキ作品の中では見やすいと書いたのは、これがかなり強固な物語構造を持っているから。けれども、冷静に…

『生きるべきか死ぬべきか』(エルンスト・ルビッチ)

以前レンタル落ちを購入していたDVDを鑑賞。とてもよかった。物語を進めることが第一義、メッセージを伝えることが第一義の映画だが、それでも要所要所で爆撃映像を挿入する、中盤の劇場内追いかけっこの映画的高揚等、見所はあった。 この映画を下敷きにし…

『愛しのタチアナ』(アキ・カウリスマキ)

レンタルDVDで鑑賞。モノクロ映画。何本か見て思ったけれども、もうカウリスマキ作品は面白いとかつまらないとか、そういった次元で語るのはよしたい。そこに世界があるだけでいい。 ロードムービーですね。とにかく、マッティ・ペロンパーのぎこちない動き…

『THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章』(押井守) ★★★

レンタルDVDで鑑賞。実はパトレイバー関係に触れるのはこれが初めてなのですが、わりと楽しめました。 なんというか、拘束時間は長いけど閑静期というあのバランスについて描いた「お仕事」映画として楽しかった。 この作品で重要なのは、シバシゲオという声…

『浜辺の女』(ジャン・ルノワール)

素晴らしかった。スコット、ペギー、テッド、3者3様の過去への執着、それらの作用によってドラマが進む。 ペギーとテッドの関係性は『散りゆく花』を連想したし、また、これより後の作品だが『めまい』に近いものを感じた。 テッドの家の美術はゴシックなも…

『ヒズ・ガール・フライデー』(ハワード・ホークス)

すでに評価が固まっているこの作品に私が何を言ったところで無意味なのだけれども、とにかく楽しんだ。それもほとんど古典ではなく、新作と遜色ない具合に。 90分のランタイムの中で会話の果たす役割は大きい。絶え間なく繰り出されるトーク、そのスピードに…

『ハナ 奇跡の46日間』(ムン・ヒョンソン)

レンタルDVDにて鑑賞。YUMEGIWA LAST GIRLS!これ、本当に映画館で観たかった。おそらく、没入の度合いが全然違ったはず。 まずこの映画の素晴らしさは、役者さんがきちんと卓球をしていて、プロの試合に見えることがあげられる。どこまでが本人の演技でどこ…

『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』(ジョン・カサヴェテス) 

レンタルDVDにて鑑賞。数年前までプレミア価格だった映画がレンタルで見られるなんて、改めていい時代になった。もちろん傑作! カサヴェテス監督はまだ『アメリカの影』と『フェイシズ』しか見たことなかった。それらの作品は確かにとても魅力的だが、パタ…

『フェイシズ』(ジョン・カサヴェテス)

レンタルDVDにて鑑賞。圧倒された。 終盤にある人物の口からこの映画のテーマがはっきりと語られていることの繰り返しにはなるけれども、カサヴェテスの即興的演技は人物の内面をあらわにする性質のものではなく、むしろその人物の浅さを露呈するものになっ…

『オンリー・ゴッド』(ニコラス・ウィンディング・レフン) 判定不能

レンタルDVDで鑑賞。 正直に言います。よくわかりませんでした。 もう少し他のN.W.レフン作品を見てから改めて評価は下したいのだけれども・・・。ラスト20分くらいで完全についていけなくなっちゃった感がある。 噂に違わずヘンな映画だと思った。思ったよ…

『クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦』(原恵一)

原恵一作品となっては今となっては感動モノの印象が強いけれど、こちらは(確かに感動する要素はあるものの)娯楽に徹している印象。楽しかった。 ギャグのハチャメチャさはなりを潜めている。まつざか先生のカラオケやIZAMの登場が浮いている気はするが、全…

テルマエ・ロマエII(武内秀樹) ★★

(@シネマQ) 批評を必要とする作品ではないので、細かい点は置いておく(魔女の概念が一般化したのはキリスト教以後では?等)。実際、わりと笑えたし。ただ、どうしてももっとがんばってほしかったところがある。 クライマックスで重要な役割を果たす水…

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(郄橋渉) ★★★★

とてもよかったです。泣きました。僕は中島かずき脚本が何だかんだで好きなんだと実感。 設定が絶妙。クレヨンしんちゃん映画はプログラムピクチャーであるため、キャラクターの劇場版での記憶はそのたびにリセットされるはずだ。しかしながら、野原ひろしは…

とらわれて夏(ジェイソン・ライトマン) ★★★★

まず、今までのジェイソン・ライトマンのイメージを大きく裏切るような作品であることを述べたい。なんつーか、エロかった。 行為自体をモロに描いている訳じゃないんだけれども、視線の使い方やボディ・タッチ、料理作りという暗喩を駆使して、特に前半、本…

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(アレクサンダー・ペイン) ★★★

実を言うと、過去のアレクサンダー・ペインに比べ、若干のれなかった。ただ、これはあくまでも受け手の問題。それをまず表明しておく。私の父はこの映画に出てくるブルース・ダーンにちかいところがあったんですね。だからかもしれないけど、逆にアタマで見…