OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

PORTISHEAD「DUMMY」

 1994年リリース。レンタルの棚のクラブ系のところで、「まるで映画の登場人物になったような感じがする」っていうポップがつけられていたんで気になって聴いてみたんだけど、これが大当たりだった。
内容はジャケットの雰囲気と同じように、全体的に暗い雰囲気。テクノっぽいトラックと、それにかかるべスの無気質なボーカルが特徴。「映画の登場人物」っていうのはきっとミステリーやサスペンスだな。中盤のセブンスあたりの和音がハモンドオルガンで鳴らされるところとか、本当に不穏な雰囲気がした。全体的に、リズムはゆっくりなんだけど、それでもトラックの綿密さが飽きさせない作りになっている。べスのボーカルは感情的にならないタイプなんだけど、メロディーやトラックとの相乗効果で不思議に激情を焚きつける。モノラル録音のため、レコード聴く時のブツッブツッみたいなノイズがたくさん入ってるんだけど、それがまるで異世界へと引きずり込まれるような効果をあげている。十年前の作品とは思えない。僕はこれを寝るときに聴いたせいで眠れなくなった。

Dummy

Dummy