the pillows「Thank you, my twilight」
ピロウズが2002年に出したアルバム。個人的に、「Please Mr.Lostman」と近い印象がある。ただ、あれから5年たって、強さを身につけた感じ。メロディラインも素敵だし、歌詞も、前作にあった英語に逃げるような感じはなく日本語で勝負している気がする。
個人的にベストトラックは「ROBOT MAN」。ポップソングのあり方というのを考えさせられた。自分の身勝手さを嘆き、同じく去っていった意中の人を嘆く歌。こんなことを考えた。好きな人に嫌われるというのはつらい。それはなぜかというと、自分がこうしたいと思っていたこと、すなわち妄想が叶えられなくなったからでもあるんだけれど、同時に自分の存在自体が好きな人の幸せを削っているということが大きい。綺麗事に思われるかもしれないが好きになるということはその人の幸せを祈っている部分も大きいのだから。訳のわからないことを書いたけど、「ROBOT MAN」という身勝手な存在に自分を例えた救いようのない歌詞でありながらも、乗るメロディはとことん明るいという、その差がポップなんだと思う。
そのほかにも「Winona」のドリーミーな曲調もいいし、モッズっぽい「バビロン 天使の詩」もノリノリだし、過ぎ去った夏のさわやかな風みたいなギターリフが印象的な「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」もいいし、ラストから2曲目を飾る表題曲も、全てを引き受けたような頼もしさがある。ラストの「Rookie Jet」はお遊びみたいなもので。
- アーティスト: the pillows
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2002/10/23
- メディア: CD
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