ゆず「ゆず一家」

　路上フォークデュオ・ゆずの1st。完成度はお世辞にも高いとはいえないかも知れないけど、個人的には一番「ゆず」らしいアルバム。
　だいたいの曲がアコギとブルースハープと歌声でできていて、それがこのアルバムに入っている曲たちがすごく身近に感じられる理由なのだ。初めて聴いたのは中学生のときだったけど、むしろ今の大学生の自分のほうが共感できるというか、それは僕の実年齢と「ゆず」の二人が曲を作ったときの年齢に近づいたのもあるし、同時に僕ぐらいの年齢の人が思うことを思い出しているのではなく現在進行形で描いているのが大きい。
　個人的にはラストのさわやかなイントロが印象的な「境界線」が好き。「雨と泪」の静かに慰めながら背中を押す感じは、落ち込んだときの僕を泣かせるだけの力がある。

ゆず一家