OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

 SOPHIA「THE SHORT HAND」

 ソフィアが2001年に出したベストアルバムで、ヒット曲が中心に入っているほう。ソフィア好きなんだよね。松岡充の声は若干後響きだし、ピッチだって下がることもある。けど、確かな存在感のある声だと思う。それはデビュー当時から変わってないし、「ヒマワリ」なんて松岡の声の存在感をアピールするには最適の歌でしょ。特別なことは何も歌ってないからこそ表現力が冴え渡る気がするし、いきなりボーカルのイントロもね。
 個人的にソフィアの最盛期は1997〜1999年。つまり一番売れていた時期なんだけど、この時期がいい曲出して、確かにJ-POPの文脈で語られるアーティストでありながらアルバムの曲には「オナニー」なんて単語も使ってしまうというパンクな姿勢も見えるし、ロックという文脈でもきちんと評価されているバンドだった。逆に言えばそういったオプション満載のバンドだったからこそ、一時に比べユーモアがなくなったからロック的な文脈で語られることが少なくなったのかなあとは思う。時代の流れみたいなものもあったかもしれないけど。エレカシ宮本がお笑い芸人のようなキャラでお茶の間に衝撃を与え、挙句の果てにドラマにも出演するような時代だったから。
 話題を戻すと、このアルバムにはやっぱりソフィア屈指の名曲が多い。俺は1984年生まれなんだけど、同い年の友達とカラオケに行ってソフィアの曲を歌うと大いに盛り上がる。俺らがちょうど中学生で音楽聞き始め位のときに聴いてた音楽だからなんだけど、ポップソングとしても最高だったからでもあるのだろう。サビの開放感が心地よい「街」、温かみのあるバンドサウンド(ちょっとUKっぽい)や声が特徴的な「君と揺れていたい」、トゲトゲしい歌詞の割にはやさしさも感じ、テクノとフォークの融合見たいなバンドサウンドが楽しい「ゴキゲン鳥〜crawler is crazy〜」、懐かしい感じのバンドアレンジが秀逸、友情を扱った歌詞は感涙ものの名曲「黒いブーツ〜oh my friend〜」、前向きなのだけれどただ前向きなだけじゃない歌詞と、若干しゃくれた感じのボーカル、不思議なリズムが三位一体になってグルーヴを作り出している「ビューティフル」(個人的にはこの歌詞を考え出せた松岡充は天才だと思う。J-POPリスナーに「泣けましたぁ!」と言わせつつも、どっか陰もあるのだから)、そして、失恋したときに聴きたい曲No.1の「Place〜」。これらの曲を次々とシングルとして切ってたんだから、やっぱり当時のソフィアはモンスターだったのだと思う。別にそれ以降のソフィアがダメになったってわけじゃないけど、最初にも述べたとおりユーモアが少し薄れてしまった気がする。そのユーモアってのは時代性のあるものだから、まあ、年をとるにつれてなくなってしまうのも仕方ないかもしれないけれど。メロディは相変わらずいいな後は思うし、今見たいのはもっとパンキッシュな松岡かもしれない。

THE SHORT HAND ? SINGLES COLLECTION

THE SHORT HAND ? SINGLES COLLECTION