OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

アカルイミライ

 2003年公開の映画。主演はオダギリジョー浅野忠信。僕はネタバレせずにこの映画の魅力を語る自信がないので、御注意ください。
 この映画を見てしばらくは、仲のいい友達と二人でいると曇った街にいるオダギリジョー浅野忠信が思い浮かんだ。それくらい、直接身体的にしみこむような映像力のある作品だ。
 簡単なあらすじは・・・。

 雄二(オダギリジョー)と守(浅野忠信)が工場で働いていて、守がそこの工場の工場長を殺す。雄二は守から大切にしていたクラゲの世話を頼まれるが、ある日クラゲの件で口論となり絶交、守は自殺する。
 きっと、守が殺してなかったら雄二が殺していた。だから、雄二の殺人によって守は命を守られた。けど実際のところ雄二には何も守るものはなくて、守には、クラゲという守るものがあった。このクラゲについては後で述べるけど。
 その後、雄二のもとに守の父・真一郎が現れて、雄二は真一郎のもとで働くようになる。うまく言ってるように見えるけど、時々軋轢がかかるようになる。そんな時雄二は、いなくなったと思っていたクラゲが東京の川で繁殖をしているのを見つける。真一郎も喜んで近づくがクラゲに触れて、気を失ってしまう。
 この、アカクラゲが東京の川で繁殖しているシーンが印象的で*1、このシーンを考案した監督はすごい。
 クラゲは、きれいだけれど毒がある。クラゲが東京で繁殖して、怪我人とかが出るということは普通に考えたら由々しき事態だ。僕も、多分実際にあったら早く駆除すべきだ、これは環境汚染の警告ではなんて考えるのだろう。けど、このクラゲっていうのは、若者の、暴力とかを内包しているし、社会とはそぐわない可能性だってあるけど、光っている夢の象徴なのだ。それは、たぶん雄二と一緒になって夜の事務所とかで暴れまわった若者グループにはわかることだ。真一郎は、その心を持ってはいるけど、入ってはいけない。だからクラゲに刺されたのかも。

 それと、個人的にはこの映画ほど、主題歌とマッチした世界観はないな。バックホーンの「未来」。

アカルイミライ 通常版 [DVD]

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*1:あと雄二の家の床下の水溜りの中で光るクラゲも印象に残った