OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

The ピーズ「とどめをハデにくれ」

 ピーズの4枚目のアルバムで、1993年発表。この年は、松本大洋が「青い春」を発表していたり、千原兄弟ジャリズムが活躍を始めてたりする。今名前を挙げた人たちが好きで、音楽に対して特別な感情を抱いてて、そしてピーズを、このアルバムを聞いたことがないという人がいたら真っ先に聞いてほしい。それはあなたが辛いときや音楽が必要なときに最良のお供になるはずやから。
 なんて偉そうなことを書いたけれども、僕も多分同じようなことを書いた文章を読んでこのアルバムを聞いたのだ。多分、イノマーさん。初めて聞いたのは高2の時。夕暮れに帰りながら「好きなコはできた」「日が暮れても彼女と歩いてた」「井戸掘り」「シニタイヤツハシネ」とか歌ってた。
 ジャケットからわかるけど、全体を通して映画、それもハリウッドとかのヒット作とは程遠い、あまり金もかかってないけど、伝えようという意欲だけは感じる映画を連想させる。きっとその映画は、作られてから何年も経って、どこかの田舎町の鄙びた映画館で上映されているのだろう。その、決して多いとはいえない客の中に、ピーズの3人はいる。それと、今までのピーズに比べて長尺なナンバーが多い。それと、どっかフリーキーやギターやベースが、ブルースを感じさせる。
 どれか一曲を取り上げようとも思ったけど、無理だ。これは9曲全部通して聞いてほしい。52分は決して短い時間じゃないけど、決してダサさを拭い去れないのがロックで、そのダサさにあなたが引かれているのなら、わかるはずだから。ある意味、最高傑作だ。

とどめをハデにくれ

とどめをハデにくれ