OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

HI-PISI「かなしいことなんかじゃない」

 もう一枚書きます。こんな気分です。
 もりばやしみほのユニット・ハイポジの1996年発表のアルバム。全体を通して女の子という印象。アルバムタイトルも山岸凉子の短編「天人唐草」の最後の台詞からとっているのかと思う。
 アレンジも「だいすきであるがためのどりょく」みたいに密室ファンクってのもあるけれども、基本的には可愛いアレンジが多い。「重力なくして」とかすごい可愛いと思う。
 あと、これも川本真琴同様そこはかとない、というか結構あからさまなエロさがある。こっちはどっちかというとぶっちゃけ話といった感じ。こんだけ甘いメロディーにぎりぎりで上品さを保っているようなエロい歌詞をのせられるアーティストってほかにいないんじゃなかろうか。
 アコギ一本のシンプルなアレンジで、言葉とメロディのみで勝負した純粋で愛情あふれるナンバー「最高の前戯」とか、珍しく申し立て風な「ナミダハボーリョク」とか、スローな片思いのナンバー「脈があるのか?」とか、明るい失恋ナンバー「かなしいことなんかじゃない」とか、最後をしめる言葉もアレンジもシンプルな「しあわせ」とか、名曲は多いです。そう言えばHALCALIに提供した「続・真夜中のグラウンド」も不思議な可愛さがあった曲だったな。
 この可愛さって、少女漫画、それもニューウェイブ以降の大島弓子だったり、あるいは原律子あたりに通じるんじゃなかろうか。そのあたりが好きな人は聴いてみたらいいと思います。

かなしいことなんかじゃない

かなしいことなんかじゃない