OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

フラワーカンパニーズ「PRUNES&CUSTARD」(1999)

 フラカンの1999年2月発表のアルバム。本人たちは過渡期の作品と語っており、また発売当初のインタビューでは笑顔の見えない作品にしたかったといっている。
 確かに音楽性は様々だけれど、そのぶん雑多で統一感の書ける印象があるのは事実。シングル曲だけでも、不思議なグルーヴのGS・サイケナンバー「LOVE ME DO」、RCサクセション直系のソウルフルなホーンが印象的なフォークナンバー「元気ですか」、前向きなメッセージでなぜかUKギターロック風味(冬のイメージ?)「夜明け」と全くバラバラだった。鈴木けいすけのだみ声ボーカルで歌われると全部フラカンの曲になるというのはあるんだが。余談だが、鈴木けいすけのボーカルは物凄いキーが高く、おそらくまともには歌えない。この人もある意味歌うために生まれてきたんだなと思う。
 インディーズに行った後の作品に比べるとやっぱりポップで、ぜんぜんヒットチャートでも通用しそうだけれど、どんどん世界観は夜に向かっていってたんだなというのは感じる。
 ラストを飾る「元気ですか」は真っ暗になりそうなアルバムをぎりぎりで陽に引き戻すようなナンバー。フラカンで1,2を争うほど好きな曲だったりするんだけど、なんだか夏の終わりを感じさせる。「茜色の季節がすぐそこまで来てるよ」「僕は多分君よりも時間がかかりそうさ この寂しさが思い出になったらきっと君に手紙を書くよ」ストリートミュージシャンが歌ってたらきっと立ち止まると思う。最後のラララは一緒に歌ってやる。まあ、この歌こそキーが高すぎて歌えないのだけれど。
(2005.9.13記)

PRUNES&CUSTARD

PRUNES&CUSTARD