ASIAN KUNG-FU GENERATION「ソルファ(2004)
1996年結成の松坂世代トップバッターなロックバンド、アジカンの2004年発表のセカンドアルバム。ジャンルはエモコア系列のギターロックってことになるのかな。個人的にはファーストより好き。
たぶん、アジカンとTHE MUSICを続けてかけたらすごく良いような気がする。きちんとポップとして成立しているんだけれども、同時にバンドグルーヴでリスナーを酔わせる力があるっていうのが共通している。
割りと僕は歌詞を重要視する。アジカンに関しては歌詞はあまり印象に残らないようなイメージがあった。けど、このアルバムを聴いて、時々耳に残る歌詞があった。アジカンは大体が抽象度高くて、けど90パーセントのぼやけた焦点が残りの10パーセントを明確にしているような印象を受けた。歌詞の内容に関しては、ラブソングよりもメッセージソングというか、同時代感を出した歌詞のほうがうまい気がする。デビュー曲のタイトルが「未来の欠片」だったことや、バンド名にGENBERATIONって入っていることからも、自身が世代を背負って立つ気概があるのだと思う。バンドサークルでコピーされる頻度も高いし。ジャケットのイラストも新しさと古さが同居した感じがある。アジカンは従来のロックから刺激的なエッセンスを抽出し、洗練されたもの(大槻ケンヂ氏がエッセイでダンスミュージックを指して言っていた言葉)を再び生演奏へ復権したのだと思う。そして、THE MUSICも。
けど、アジカンっていわゆる高級感ってのを感じない。アジカンには確かに個性を感じるけど、大量生産品って印象を受ける。別にそれが悪いって言ってるんじゃなくて、コンビニ食にもおいしいものはあるしね。それで、アジカンがこれだけ受け入れられている今、今後のロックはアジカン風が増えるのかなという思いはある。アジカンはそういったスタイルを確立したという意味で価値のあるミュージシャンとはおもうけど、後に続く人たちはアジカンを超えられない気がする。ただ、旧来の、何も目新しいスタイルではなくても純粋に曲のよさだけで勝負するミュージシャンは消えないと思うけど。(77/100)
- アーティスト: ASIAN KUNG-FU GENERATION,後藤正文
- 出版社/メーカー: キューンミュージック
- 発売日: 2004/10/20
- メディア: CD
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