OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

DEAD KENNEDYS「暗殺」(1980)

 アメリカ西海岸出身のパンクバンド,デッド・ケネディーズのデビューアルバム。1980年発表。今のTHE OFFSPRINGに通じるポップなパンクがいっぱい。邦題は「暗殺」で、これはジャケットのケネディ暗殺時の車から。本来のタイトルの「FRESH FRUITS FOR ROTTEN VEGETABLES」は、ポル・ポト政権の、「腐ったリンゴは、箱ごと捨てなくてはならない」という政策に対する言葉だと思われる。
 内容は政治色の濃いシリアスな内容なのに、アレンジが結構アホで、ギターの音の厚さが尋常じゃない。ボーカルも、完全に狂ってる。初めて聴いたとき衝撃だった。なんか、THE STALINに近い気がした。そしたら遠藤ミチロウさんが解説書いてたね。
 この世には政治色の強いロックをはじめとする音楽はたくさんあるし、1980年っていえばイラン・イラク戦争が開戦し、その前年までには「ホリデイ・イン・カンボディア」にも描かれているように、カンボジアではポル・ポトによる独裁政治が行われていた。不勉強ゆえ詳しくはかけないけれど、何の興味もないリスナーを重要事に対して自分で調べる気にさせるっていうのが、レベルミュージックの役目なんだと思う。ビアフラは自らが市長選に立候補するほどの活動家っぷりで、まあ、落ちたけれども。
 政治的なメッセージをファッションとして使うバンドが多い中、説得力を持って今なお響くパンクアルバム。

(参考)
カンボジアの歴史 - Wikipedia

85/100

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