THE STYLE COUNCIL「CAFE BULE」(1984)
ポール・ウェラーが1982年にTHE JAMを解散してはじめたユニット・THE STYLE COUNCILが1984年にリリースしたデビューアルバム。
とにかく、幅広いというのが第一印象。ボサノバ・ソウル・ジャズ・ヒップホップなど、全体的にブラックの要素の強い音楽からの影響を感じるのだけれど、機能としては明らかにポップソング。すごく聞きやすい。いまやすでに上記のジャンルがポップとして根付いた日本の音楽を聞きなれたからこそ、再評価されるべきなのかもしれない。もともと、ポール・ウェラーって人はTHE JAM聴いたときから思ってたけど、ポップスメイカーとしては一流の人だ。メロディとアレンジの能力が高い。
同時に、ポール・ウェラーの声はどこか怒りを隠し持っている。それはあのかすれ気味の太い声だからかもしれないけど。このアルバムに収録されている曲の中には政治的メッセージの強い曲もある。それをラップで歌ってたりするんだけど、ボサノバの軽やかなムードの前半とメッセージ色の強い後半がきちんと成立し合っているのが、このアルバムのすごいところではなかろうか。多分、ボサノバやジャズやヒップホップが根付いてしまった現代では、同じような音楽作ろうと思っても完全に二つが乖離したものになるだろうし。
スタイル・カウンシルのサウンドは真似できても、そういったアティテュードまで真似できる人はなかなか出てこないだろうな。
- アーティスト: ザ・スタイル・カウンシル
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2005/09/21
- メディア: CD
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