OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ZAZEN BOYS「ZAZEN BOYS」

 ナンバーガールを解散した向井秀徳が2003年に結成したZAZEN BOYSの2004年1月に発表された1stアルバム。よく言われていることですが、ナンバーガールの「NUM HEAVY METALIC」の延長線上のサウンドにあります。
 個人的には、このアルバムの、やりたいことだけつっきってできたような、ゴチャマゼの感じって結構好きです。一曲目はハードコアやパンクとは無縁な印象があるR&B(てかプリンス?)風の曲ですし。「ザゼンのアルバムをヘッドフォンで聴きながら東京の街を歩くと映画の主人公になったような気分になる」と言ったのは宮藤官九郎さんですが、硬質なギターの音はまさに東京と言う街にピッタリだと思います。向井風に言うなら「冷凍都市」ですね。「The Days Of NEKOMACHI」のイントロのドラムがあけてからのギターの音の広がりはさすがです。
 あと、このアルバムではキャリア中異質な歌詞、いえリリックが見られます。いわゆる、アル中でニートな人間から見た東京という街の殺伐さを描いている印象です。初めて聴いたとき、町田町蔵町田康)に近いものを感じました。あと中島らもさんにも近いですね。もともとナンバガのラストアルバムでもベースのぶっといグル−ヴがじゃがたら*1に近いものがあったので、そういった点でも延長線上といえるのかもしれません。
 バンドアンサンブル的にはまだまとまってない気はするし、向井の暴走気味だとは思うけれど、2004年を代表する音だと思います。
85/100

ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYS

*1:1980年代にインディーズで活躍した、江戸アケミ率いるファンクバンド。1989年にフロントマンの急逝により活動休止