Tommy february6「Tommy february6」
the brilliant greenのボーカリスト、川瀬智子が指導させた企画モノ、トミー・フェブラリーの2002年発表の1stアルバム。
2002年当時って、80年代のパロディを表舞台でやって見せた氣志團や、70年代のポップスをなぞったようなキンモクセイや、ダサめのダンストラックがまるで80年代のNEW ORDERのようなくるりや、昭和歌謡をメジャーフィールドに復権させたクレイジーケンバンドがブレイクしたりといった具合に、少し昔の音楽を連想させるような音楽がはやっていた印象がある。そんななかに、トミー・フェブラリーもあったのかもしれない。
このアルバムはとにかくキラキラしてて最高です。昨日取り上げた、奇しくも同年に発売された松浦亜弥のアルバムが日本の青春を描くのに対し、このアルバムは外国のスクールガールの青春を描いている印象。チアガール、サッカーガール、テニスガールとコスプレしまくったPVからも見て取れますね。
視覚効果といえば、このプロジェクトのプロモーションとしてトミー・フェブラリーがメガネをかけたことで日本においてメガネの地位がだいぶ向上したと思うのですが、気のせいでしょうか。眞鍋かをりの力も大きいでしょうし、その行き着いた先が時東あみかもしれませんね。
音楽的にいえば、はねるようなメロディもいいし、歌詞はホントにボーイミーツガール以外のことは歌ってないのだけど、そこがいいし、チープなシンセサイザーを聞かせたユーロビートのようなアレンジも最高、ワクワクしてきます。歌唱力に関しては、多少軽すぎる感じがして、それがアイドルらしいといえばそうかもしれないですけどね。少なくとも曲の世界観にはマッチしていると思います。どこか暗めだったthe brilliant green時代との差が大きいですね。
ブリグリというのが、UKロックに裏打ちされた世界観を日本のポップの方法論に当てはめてしまおうとして、結果的にはJ-POPに飲み込まれてしまったバンドという気もして、それだけにこの作品はトミーの逆襲とも言えるのかな。この作品はある程度異端的ではあるにしろユーロビート作品だと思うし、ユーロビートって日本のポップ界において流行った事は確かないから。
この作品が名作なだけに、ブリグリも好きなだけに、これをラストにしてほしかったなあと言う気はしますが、仕方ないでしょうね。
81/100
- アーティスト: Tommy february6,Bob Crewe,MALIBU CONVERTIBLE
- 出版社/メーカー: DefSTAR RECORDS
- 発売日: 2002/02/06
- メディア: CD
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