OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

THE 有頂天ホテル

【スタッフ】脚本と監督 : 三谷幸喜 、音楽 : 本間勇輔 、製作 : フジテレビ・東宝 、配給 : 東宝
【キャスト】役所広司(副支配人:宿泊部長)、松たか子(客室係)、香取慎吾(ベルボーイ)、戸田恵子(アシスタントマネージャー)、生瀬勝久(副支配人:料飲部長)、オダギリジョー(筆耕係)、川平慈英(ウェイター)、堀内敬子(客室係)、石井正則(ホテル探偵)、伊東四朗(総支配人)、佐藤浩市国会議員)、浅野和之国会議員秘書)、原田美枝子(副支配人(役所)の元妻)、角野卓造(原田の夫)、篠原涼子(コールガール)、西田敏行(大物演歌歌手)、梶原善(演歌歌手付き人)、津川雅彦(会社社長)、近藤芳正(社長の息子)、麻生久美子(ベルボーイ(香取)の幼馴染)、唐沢寿明(芸能プロ社長)、YOU(シンガー)、寺島進(スパニッシュマジシャン)、奈良崎まどか(マジシャンアシスタント)、榎木兵衛(腹話術師)<<

 今話題の映画、観てきました。とりあえず、今年これを超える作品は出てくるかなあという邪推があります。今年も始まったばかりですけど。
 とりあえず、「三谷幸喜最高!」という、最大級を賛辞を送らせてください。幸いなことにというか何と言うか、三谷さんの行動にはすごく共感を覚えることが多くて、たまたまシャーペンを耳にはさんだまま文房具屋へ行ってしまって万引きと間違われるといけないので自分のシャーペンを商品棚に置いてきた話とか、本屋さんで平積みになっている本の上に鞄を置いている男に対して間接的に注意する意味合いで「すみません。下の本取りたいのですが?」と話し掛ける話とか、他人とは思えなくて。
 で、これはそんな三谷さんが自分の好きな役者さんを集めて自分の好きなように動かした作品だと解釈しています。パーティー的な要素が強くて、で、どの登場人物も無茶苦茶不幸にはならないところとか、三谷さんのキャラクターに対する愛着が感じられます。エンターティメントで大切なのはそれと思うわけで、『ALWAYS 三丁目の夕日』もそうでしたが、すべてのキャラクターに愛着を覚えて映画館を後にできるのは幸せなことだと思います。
 この映画の場合、見終わった後もあまり登場人物の名前を覚えていないんですね。せいぜい武藤田(佐藤浩市)くらい。それは、人々が絡み合うがゆえにあくまでストーリーが主役になっているのが大きいと思います。だから、伏線に次ぐ伏線で、それが小気味よく解決されていくさまは快感でした。とにかく笑わせていただきました。あと、泣きもしました。泣けたのは、香取慎吾の歌で佐藤浩市が自殺を思いとどまるところと、マジシャンたちがYOUに歌わせるよう説得するところ。
 あと、役者さんの演技はすべてよかったのですけど、その中で特によかったのは松たか子戸田恵子ですね。松たか子には惚れてしまいそうでした。
 欠点があるとすれば、映画観てて後半になってくると、もうカウントダウン始まってもいい時間じゃないのかとか、そんなことが気になってしまうところでした。もちろん、時間軸に平行には描いていないのでしょうけど。それに、登場人物のアリバイとかにも細かく突っ込んでいけば矛盾が出そうですし。
 ただ、そんな欠点を払拭するだけのいい映画だったと思います。



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