丸尾末広「少女椿」
丸尾末広さんの漫画で、一応連載作なんだろうか。初出版は青林堂で、1984年9月25日。
舞台は見世物小屋で、少女みどりちゃんがひどい目に会うって、ストーリーだけ聞いたら(ってかストーリーも無いに等しいのだけれど)ロリコンエロ漫画と変わらないです。けど、P.36とか、しばらくページを繰る手を止めて見入ってしまう美しいシーンもある。丸尾末広のアートセンスが楽しめる作品ではあると思います。大正〜昭和くらいの雰囲気が好きな人で、エログロが苦手でない人ならきっと楽しめると思います。ただ、ちょっと家族・友人・恋人には読んでることをばらしてはいけない作品。
それで、丸尾末広さんのセンスには、すべての日本人が原体験として持っている情景を美意識として土台にし、その上に時たま持っている人がいる性的異常だったりトラウマだったりをちりばめて作っている気がします。すなわち、美と醜の共存ですね。だから、前者も好きだし、後者も興味があるという人が惹かれるのだと思います。ただ、それって誰しもが心のどこかに持っているものだと思うのですけどね。
82/100
- 作者: 丸尾末広
- 出版社/メーカー: 青林堂
- 発売日: 1999/08
- メディア: コミック
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