OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

友子の場合

監督:本広克行、脚本:青柳祐美子、原作:藤野美奈子『友子の場合』(小学館)、音楽:大島ミチル、主題歌:ともさかりえ『くしゃみ』
キャスト:ともさかりえ(田村友子)、木村剛小林太郎)、小木茂光(丸木駅駅長・島巡)、美保純(松葉屋若女将)、藤村ちか(高木美江)、新山千春 (五十嵐理沙)、仲間由紀恵 (嶋田咲子)、高橋一生 (岡田時雄)、松山幸次 (小笠原誠)、越野鉄也 (山田慎二)、西村雅彦 (田村道弘)、ふせえり(田村真知子)、森田洸輔 (田村道夫)、布川敏和 (橋田駅員・芝)、きたろう (ロープウェイのおじさん)、六平直政 (漁師・沢井)、伊藤俊人 (橋田駅員・三ツ沢)、茅島成美 (たこばしら売りのおばさん)、萩原聖人 (電車の売り子)、高杉亘 (キザな車掌)、原ひさ子 (電車のおばあさん)、河原さぶ (電車の夫婦)、松本じゅん (電車の夫婦)、長江健次 (丸木駅員)、松井豊 (丸木駅員)

神はサイコロを振らない」を見ていて思うのだけれども、ともさかりえってつくづく演技うまいよな。とくに、少しバカで、けど悪い子じゃない、なんて女の子を演じさせたら天下一品だと思う。そして、これはそんなともさかりえが演技量を養う素養となったであろう作品。
 この映画は「僕たちの映画シリーズ」として製作され、この「ぼくたちの〜」は他に松雪泰子主演で「白鳥麗子でございます」、内田有紀主演で「花より男子」、安室奈美恵主演で「That's カンニング」が製作された。この「友子の場合」は本来「世にも奇妙な物語」でシリーズ化されていたもの。原作では友子は少しぽっちゃりした女の子という印象があるだけに、ともさかは合ってるのかなという気がしないでもないけど、本編を見ればともさか以上の適任者がいないことがわかる。
 基本的にこの映画は全体が主人公のスタンダップコメディで進んでいく。つまり、主人公がおかしい言動をしつつ、と同時に周りにもツッコんでいく形。カメラワークも、今見てもギリギリで時代遅れじゃない感じで、かなり効果的だと思う。
 そして、見所はともさかりえの演技。ともさかの演技は割りと好き嫌い分かれるとは思うけど、下手ではないと思う。この時期はまだ表現力がおっついてないかなあというところもあって、そういったところを演出が助けたり助けなかったり。ただ、「ぼくたちの〜」の他の主役の役者さんに比べたら圧倒的にうまいので。と言うか、「ぼくたちの〜」のなかでこの作品だけ完成度が飛びぬけていると思う。監督が後に「踊る大捜査線THE MOVIE」や「サマータイムマシーンブルース」を撮る本広克行なのだから当たり間えっちゃ当たり前だけれど。惜しむらくは、60分という長さが少し物足りなかったのと、大林宣彦まで行かなくてもいいから日本の夏の風景をもっと魅力的に描いてほしかったことです。
 あと、無名時代の仲間由紀恵がこっそり出てます。それと、萩原聖人の使い方もったいねえ。
66/100

友子の場合 [DVD]

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