くるり「図鑑」
くるりの2ndアルバム。2000年リリース。この時期って、くるりやナンバガあたりがいっせいにそのキャリアの第一絶頂期を迎えて、シーンを変えそうな勢いを持っていた時期だった。これも、キャリアの充実を物語る名盤。
これをベストに上げる人も多いけど、これ、軽くうつ入っているアルバムではあるよね。特に「窓」なんか歌詞からしてモロだし、間奏に入る変拍子のギターも抜けた具合が逆にうつを増させるし。本当に、ラストの一曲までそうなんだよ。「青い空」の疾走ギターロックも、「惑星づくり」の浮遊感あるエレクトロニカも、「街」の和風グランジも、「ミレニアム」の「何、このメロディ?」って感じも、「屏風浦」の美しさも、「ピアノガール」の静寂も、すべからくダウナーなんだよね。こうして精神の深海の部分をサウンドの波に揺られてふわふわ漂って、空港の音なんかも聞こえる人力テクノ「ガロン」の海を抜けて最後にたどり着いた「宿はなし」の、奥田民生ミーツSOUL FLOWER UNIONみたいな歌に救われたら、また漂いたくなっちゃう、そんなアルバムです。
89/100
- アーティスト: くるり
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: CD
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