恩田陸「六番目の小夜子」
恩田陸の衝撃のデビュー作。
恩田陸の描く学園生活には、リリイ・シュシュのすべてで観た田園風景と同じ風景がある。キラキラしてるけど同時に閉塞もしている。
こういったミステリーの類を読むときに最初にすることは、すべてを合理的に、科学に基づいて考えることだ。そうすれば、たとえ小説の展開が科学に反するものだったとしてもそれはそれで楽しめる。だけど、この作品名は途中からそう考えてはいけないんじゃないかと思い始めた。結論から言えば、そう考えてもいいんだけれども、読者に途中でそう思わせた時点でこの作者の勝利だ。
他にも、沙代子や秋というキャラクターは魅了的だし、謎めいた雰囲気の学園祭のシーンなんかよくできている。けど、冬の章に入ってペースダウンした気がして、其処がマイナス。ミステリーとして骨子になる部分も、若干納得いかなかったし。
64/100
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/01/30
- メディア: 文庫
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