OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間

1969年 日本 監督・脚本:石井輝男
出演:吉田輝雄、由美てる子、土方巽、葵三津子、小畑通子、賀川雪絵小池朝雄、英美枝、小山陽子、木山佳、田仲美智、笈田敏夫近藤正臣、加藤欣子、高英男片山由美子、金森あさの、宮城幸生、土橋勇、由利徹大泉滉、上田吉二郎、桜京美、沢彰謙、河崎操、岡田千代、阿由葉秀男、三笠れい子、尾花ユキ、大木実

 いわゆる伝説的カルトムービー。ソフト化は不可能ってなっている。
 昔大槻ケンヂさんがこの映画について書いてあるのを読んだことあって、それでいつかは観てみたいと思っていたわけなんだけれども、カルト映画特集なんてのが博多の映画館で組まれていたので観た。
 中盤あたりからクスクス笑っていた人たちはきっと前知識を持って観にいったんだろうな。俺はあまり前情報を仕入れずに観にいったから、この雰囲気怖いとか、大正浪漫だーとかそういった感覚を楽しんでいた。少なくとも中盤までは。
 でも、屋敷の天井を見上げるところのカメラワークとか見事だと思うけどね。あと、これっておそらくポルノっていう名目で出された作品だと思う。俺はポルノの淫靡さは結構好きかもしれない。日本人のおっぱいはいいな。柔らかそうだし。
 あと、見る前にタイトルだけで考えていた印象は、もっとドロドロでグチャグチャでアングラでサイケな、ストーリーも何もかも無視した作者の伝えたいという想いが怨念のように伝わってくる作品っていうものだったんだけれども、意外とストーリーはしっかりしている気がしたし、伏線も割りと回収されていた。
 そして話は明智小五郎登場前後から笑いの世界へ。当主役の土方巽の演技は夢に出そうなくらいで、それゆえに滑稽で、ラストの顔アップはさすがに笑いが漏れた。きっと片桐仁はこの映画の影響を大いに受けている。
 そして伝説のラストシーン。それ以外の笑えるシーンは真面目さゆえにって気がするんだけれども、ここだけは狙ってやったとしか思えない。ぼくの笑いの壺ではないけれど、面白かった。
 問題作ですね。興味持った人が誰でも手に取れるような環境になってくれることを祈ります。
81/100