OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

未成年

脚本:野島伸司 制作:伊藤一尋 演出:吉田健、加藤浩丈、金子与志一 主題歌:『トップ・オブ・ザ・ワールド』、『青春の輝き』カーペンターズ 音楽:千住明
キャスト:いしだ壱成(戸川博人)、香取慎吾(室岡仁)、反町隆史(坂詰五郎)、河相我聞(神谷勤)、北原雅樹(田辺順平)、桜井幸子(新村萌香)、遠野凪子(安西加代子)、浜崎あゆみ(田畑瞳)、谷原章介(戸川辰巳)、朝岡実嶺(アリサ)、西岡徳馬(戸川芳史)、宇梶剛士(新村武郎)、小木茂光(見城雅宏)、寺田農(梅原幹雄)、大寶智子(サオリ)、高林由起子(神谷真紀子)、六平直政(室岡邦博)、山本道子(室岡貴子)、阿南健治(田辺健)、勝部演之(田辺洋造)、田島令子(田畑裕子)、森本レオ牛島洋平)、浅野和之小池唯一)、山崎一

 1995年10月〜12月TBS金曜10時枠で放映されたドラマ。このドラマが放映された当時ぼくは小学5年生で、確か見せてもらえなかった気がする。それでも10話の冒頭はみた覚えがちょこっとだけあるし、また友達からあらすじをきいたことがあるような気もする。ぼくにとって未成年とはそんなおぼろげな輪郭をもったドラマで、その分ずっと気になっていた。野島作品は「ひとつ屋根の下」しか見たこと無かったし。
 内容は、無気力な毎日を送っていた高校生・博人(いしだ壱成)。彼は周りから優秀な兄に比べられていた。そんな時、バイト中にたまたまであった女子大生・萌香(桜井幸子)に恋をするが、彼女は博人の兄の恋人だった、というもの。そこから始まり、博人、順平(北原雅樹)、デク(香取慎吾)、ゴロー(反町隆史)、勤(河相我聞)の5人に焦点を当てた群像劇となっていくというもの。
 まず、正直な感想を述べると、ぼくはあまり野島伸司ドラマが合わないようです。ところどころいいかなって思うシーンはあったけれども、どうも登場人物に感情移入が出来なかった。あと、野島作品は名台詞が少ない気がしたし、悪役の描き方も人間の負の部分を抽出したようで、どうも好きになれない。
 ただ、ここ最近のドラマの登場人物があまりにもイイコになってしまいすぎた側面があるぶんだけ、このドラマの登場人物の常軌を逸した行動は印象深かった。とくにいしだ壱成の博人は、いまやこうやって反抗精神を真正面から炊きつける主人公いなくなってしまったなと思う分だけ、貴重なキャラだと思う。
 そして、8話以降の続きが気になるっていう展開。一種の超展開・超脚本だとは思うけれど、最近見ない手法なだけにいいなと思った。今のドラマに比べてきわどい表現もあるし、これを金曜日の夜に観ることが出来た当時の高校生たちはきっと幸せなんだと思う。
 それとさっき名台詞が無いと書いたが、それは真理を言い当てるのに最適な言葉選びをしていないと思ったから、けど、その未完成な感じが高校生の頃のプライドと反抗意識だけが高くて知識が追いつかない感じを表現することになっているのだと思う。
 9話のテレビの電波に乗った博人の主張はドラマ史に残る名場面。

未成年 DVD-BOX

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