OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

間宮兄弟

監督・脚本:森田芳光 原作:江國香織 音楽:大島ミチル 主題歌:RIP SLYME「Hey Brother」
キャスト:佐々木蔵之介 塚地武雅 常盤貴子 沢尻エリカ 北川景子 中島みゆき 戸田菜穂 岩崎ひろみ 佐藤隆太 横田鉄平 高嶋政宏 広田レオナ 加藤治子 桂憲一 佐藤恒治 鈴木拓

 2006年公開の映画。
 まず、間宮兄弟がもてないのって、決して彼らに依るところが大きいわけではない。(俺と違って)部屋も片付いている上にインテリアもいいし、(俺と違って)変な趣味もないし、(俺と違って)きちんと生活設計できているから。じゃあ、なんで間宮兄弟がもてないのかって言うと、それはチャンスがないからだ、きっと。*1
 この作品を観た時に連想したのが映画版の「電車男」。佐々木蔵之介さん出ているし。「電車男」も閉じられた世界での恋を描いている点で、「間宮兄弟」と繋がった部分がある。こういった世界観にはスピッツの音楽がよく似合う気がするんだけど。あと空気公団
 流行からすこし外れた東京に住む間宮兄弟。その「東京」はとても綺麗な場所だった。
 役者さんとしては、本間夕美役の北川景子がとにかくはまってた。
 結論。これはど真ん中の青春映画だと思います。間宮兄弟の二人はとっくに青春なんていえる年齢じゃないかもしれないけど。描き方は明らかに青春映画だった。ぼくは長男で弟がいるので佐々木蔵之介に感情移入しながら見たわけだけれども。間宮兄弟の二人に恋人が出来ない理由で兄弟側に問題がある点としては、二人とも女性とのコミュニケーション不足ゆえ、適した行動が取れないところにあって、蔵之介だったら前に出られないところ、塚地だったら自分の好みを押し付けてしまうところ。この辺(特に塚地)見てて多少歯痒くもなったけど、それはもてない自分の分身でもあるわけで、痛みを感じたのも事実。
 それに、いい歳した大人なら恋人がいるのが普通なのかもしれない。それゆえに間宮兄弟が思う人に恋人がいて振られちゃう、という展開は自分の昔の恋のひとつやふたつやみっつやよっつや(ry)を思い出した。同時に、一種の絶望感を含んでいたのも事実。あんだけいい人だった間宮兄弟は、確かに兄弟二人でずっと遊ぶのも幸せかもしれないけど、それがずっと続くのは一種の絶望だった。二人には幸せになってほしい、だからあのラストで救われた。
 観た後に気持ちいい気分になれる映画だと思う。
83/100
映画「間宮兄弟」

*1:間宮兄弟の生活の清潔感に関しては、江国香織さんがもともと綺麗な世界観を描くことに潔癖なまでに執心する作家だってことも大きいが