OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

SINGER SONGER「ばらいろポップ」

 Coccoが音楽活動を再開した時のユニット・SINGER SONGERのアルバム。2005年発表。くるり岸田繁佐藤征史、ニール&イライザの堀江博久臺太郎がバンドメンバーとして参加。
 こういったことを書いていたくらいだからもちろんCoccoは大好きだし、くるりも好きだ。それに先行シングルの「初花凛々」は名曲なのは疑うべくもないし。
 ただ、このアルバムって、こっこの新しい一面なんてものは見られないと思う。意外にも、くるりのメンバーの主張見たいなのは感じられない。Coccoのアルバム曲でくるりのメンバーが伴奏担当しました、というくらい薄い主張。
 別にそれでもいいし、前にシングルをレビューした時にも述べたが、今のこっこには激情を吐き出す必要など無いのだろう。良質のメロディとのびのびと唄うこっこがいる。
「初花凛々」の感動というのは、Coccoという物語のひとつの結実地点を確認したということが大きい。だからかもしれないけど「ばらいろポップ」には過剰ともいえるドラマは見られなかった。あっちゃんは平穏な日々を手に入れ仲間たちと歌を歌って過ごしました。けど、「サングローズ」にあった終章の意識はほとんどなくて、これからも続いていく物語。
 デビューからずっと激情を発し続けてきたCoccoと、もともとフォーキー畑から出てきて、2000年のアルバム「図鑑」で激情を世間に叩き付けたくるり。もしCocco活動休止前にSINGER SONGERが結成されていたらブルース経由のHR/HMばりのサウンドが展開されていたのではないかと思うけれど。ただ、くるりCoccoも、激情と平穏の振れ幅がきちんと存在し、その中で平穏地点で重なったからこのアルバムのサウンドになった、ということではないのだろうか。 
 沖縄の広がりを感じさせるメロディの「Millions Of Kisses」が好き。
 不遜にもまだCoccoのニューアルバムは聞いていない。
【参考】
http://d.hatena.ne.jp/K-N/20050818http://d.hatena.ne.jp/K-N/20050818
http://d.hatena.ne.jp/K-N/20050525
70/100

ばらいろポップ

ばらいろポップ