OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

PRIMAL SCREAM「RIOT CITY BLUES」

 プライマル・スクリームの2006年発表のアルバム。ブルースやソウルに傾倒した内容。
 いや、これ素晴らしいと思うわ。このタイプのアルバムはプライマルだと1994年の「give out, but don't give up」以来だと思うんだけど、「give out〜」が曲のバリエーションがあまり多くなくて後半飽きた感じがあったのに対し、このアルバムでは飽きさせない構成というのがちゃんとできていると思う。これも「VANISHING POINT」(1997)から「EVIL HEAT」(2002)までのエレクトロニカへの傾倒時期に学んだものかもしれない。この路線も最後あたりはパターンが出尽くした感じもあったのだけれどね。
 ボビー・ギレスビーの声ってブルースやカントリーにこそ合ってるんじゃないかと思った。近年はデジタルビートに乗って悪意を振りまいていたような声だけど、本質的にはしゃがれ声で、ブルースシンガーのようにアンプラグドなバックに乗りくたびれた感じを出すのに最適な声なんじゃないかと思った。
 このアルバムは「ROCKS」みたいな必殺チューンが入っているわけじゃないけど、その頃よりもはるかに楽曲の質の底上げがなされていて、それゆえにロックの最新版としての輝きよりも、往年のブルースやカントリーの名盤のほうへ近づいたアルバム。

Riot City Blues

Riot City Blues