OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

CUBE

 1997年製作のカナダ映画。ジャンルは一応ホラーということになってるらしい。
 内容はというと。計6人の男女が正方形の建物に閉じ込められ、いくつかの部屋には罠が仕掛けられているらしい。彼らは各々の特技を生かして出口へと近づいていくが、次第に精神的に追い詰められるものが出てきて、というもの。
 怖さの表現としてはわかりやすいものだと思う。思ったのが、ゲームみたいだなということ。 
 ぼくはゲームは2Dで止まってしまっているので詳しいことはわからないのだけれど、2D(前後か上下移動がないことにされている場合)のゲームが3Dに比べて簡単で、おそらくは現時点でも2Dのゲームが存在し続けるのは、人間の現状認識能力というのが2Dが精一杯で3Dになるとその情報量の享受だけでイッパイイッパイになってしまうからだと思う。そんなわけで、この映画も最初は結構受け止めるだけでハードだった。ただ、次第に頭脳戦に移行していったので、その分面白くなっていったのだけれど。
 そしてもうひとつ思ったのは、ぼくらはゲームやっていて自分を投影して目の前のタスクをこなしていくけど、実際問題それができるのはプレイヤーが自分の部屋でテレビの前でブラウン管ごしに神の視点で見ているからであって、ゲームの登場人物から見ればそんな呑気な話はないということ。また、ゲームのパーティーはひとりのプレイヤーによってその全意思が決定されているけど、実際にパーティーを組んで冒険すればそれゆえに起こる問題(おもに人と人との間の軋轢)もあるということ、だ。この監督は基本的性悪説なのかもしれない。終盤の不条理な展開からもそんな気がする。
 現実感が希薄なCGが逆にイヤ〜な感じを演出している。独特の世界観というべきか。
 本編終了後に「エレベーター」という短編が収録されている。この監督は閉所恐怖症なんだろうか。密室という状況で、隣にいる人が何を考えているのかわかるはずもないし、どんな人なのか、信じていいのか。危害は加えないか、そんなことはわからない。情報がシャットダウンされているから。「エレベーター」はCUBE本編に比べ、ホラーの範疇に収まっている気がするけど、いろんな解釈を生みそうなシーンがある点、一線を期しているのだろう。

CUBE ファイナル・エディション [DVD]

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