さびしんぼう
1985年公開。尾道3部作の完結編。主演は尾美としのりと富田靖子。
尾道3部作では一番好きだ。はっきり言ってしまえば、大林映画の魅力って言うのはその童貞っぽさにあるのであって、「HOUSE」〜「時をかける少女」まではその視点から見た女性の神々しさをそのまま写し撮っていたがために、クサくみえてしまうところがあったのだと思う。
だけど、この作品は、まずオープニングで主人公(尾美としのり)の除くファインダーに映る女の子(富田靖子)が映される。主人公は女の子の名前も知らない。そのため「さびしんぼう」と名づける。
この行為、2007年現在では「ストーカー」と呼ばれかねない。けど、多分男なら思い当たる思い出がひとつやふたつはあろう。無い奴とは友達になれない。ストーカーを正当化しているわけではありませんので、念のため。
この視点を描くことで、大林監督は童貞目線というフィルターを手に入れ、女の子をより客観化したスタンスで描くことができるようになったのだと思う。
全編を通して、相変わらず懐かしいかんじのする風景や人によって好みは分かれるだろうけどスラップスティックコメディパートなど、間違いなく傑作だと思う。
ただ、きっと「転校生」や「時をかける少女」はリメイクされても、この作品はリメイクされない。僕らはもうオカンに恋することはできない。
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