OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

東京上空いらっしゃいませ

 1990年作品。相米監督にとっては「台風クラブ」以来の青春映画なんじゃないかと思う。主演は牧瀬里穂。後に相米映画によく出ることになる中井貴一笑福亭鶴瓶も出演。
 全体的に、1990年当時のバブリーな雰囲気が出てる。相米監督の映画って、当時の雰囲気を映し出す傾向があるのだな。もし今生きていたらどんな映画を撮ったろう。
 ストーリーは、キャンペーンガール・ユウ(牧瀬)は、スポンサーの専務・白鳥(つるべ)に枕営業することになりそうだったのを拒否して逃げ出し、交通事故死してしまう。ユウはなぜか白鳥とそっくりな死神・コオロギ(つるべ2役)を騙し、この世に生き返る。ユウはアイドルとしての活動に縛られていたころを取り戻すかのようにバイトしたりして生活する。
 ストーリーを読めばお分かりのとおりリアリティをはなから無視していて、ユウとコオロギが会話をする宇宙のシーンなんてチープの極みだし、設定にも色々無理がある。現に、その辺がこの映画の世評を低い者にしていると思う。でも、すごく大好きな映画。
 全体を通してキュートなのだ。牧瀬はもちろんのこと(かなり演技はつたないけど)、牧瀬と白鳥が最後に対面するオモチャの遊園地みたいな場所なんてこの映画のチープさを凝縮したような場所で、すごくかわいらしい。
 そして、全体を彩る井上陽水の「帰れない二人」がいい。ラストのちょっとミュージカルっぽい場面なんて、きっと相米さんこれが撮りたかっただけなんだろうななんて思わせてしまう。でも大好きな場面だ。

東京上空いらっしゃいませ [DVD]

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