OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ボルベール<帰郷>

 ペドロ・アルモドバル監督の「ボルベール<帰郷>」を観てきた。アドモドバル監督の作品を観るのは初めてで、勝手にタイトルとカンヌだのでの受賞暦から、きっと文芸的な作品なんだろうな。アンゲロプロスみたいな、なんて決めてかかって美しい映像に二時間身を浸そうなんて考えながらレイトショーへと向かった。
 そいでもって観て見ると期待を裏切られた、良い意味で。なんじゃこの脚本。まるで三谷幸喜じゃないか。するとやけに谷間を強調したペネロペ・クルスもスペインの人にはわかるジョークみたいなものなのか?
 内容は、互いに隠し事をしている姉妹がどういう風にして和解していくか、というところにあるんだけれども、そのすれちがいのごまかし方とかがユーモアあふれてて、とてもよくできた脚本だったと思う。いや、完璧だわ。「アパートの鍵貸します」と双璧かもしれない。登場人物が少なく関係性も理解しやすいのがよかった。ラ・マンチャの風景もよかったし。
 レンタルで最近「バグダッド・カフェ」観たからかもしれないけど、きっとペネロペにTVクルーの料理頼んだ人は実はペネロペが好きなんだろうなと思ったら、違った。男は極力画面から締め出されていて、でも正直ペネロペ以外はそこまで画面映えするルックスじゃなくて(これは「バグダッド・カフェ」とも共通)、けどあの4人が「帰郷」する場面がとても楽しそうで、よかった。ラストの余韻を持たせた終わり方もいい。
 レイトショー終わって外出てみると雨だった。九州は記録的な大雨らしい。帰ってきてパソコンを立ちあげ「涼宮ハルヒの憂鬱」の2期が決まったことを知った。