六道神士「ホーリー・ブラウニー」
「エクセルサーガ」を代表作としてもつ漫画家六道神士の隠れた傑作。中世、現代、未来、「今は昔」の世界など古今東西問わずありとあらゆるところに表れる妖精(神様のパシリ)のフィオとビオラが神様に与えられた仕事を遂行し人間を助くべく奮闘するが、最後にはとんでもないことになってしまうという
一応ギャグ漫画でエロ漫画という要素が強いけれど、これは、それ以上に毒を含むのがこの作品。ギャグとして極端化されてはいるものの、人間の目を背けたい部分をこれでもか、ってくらい出してきます。
1話完結なので終わり方もさまざま、ブラックなものが多いです。最初の2話のぺんぺん草も生えないような荒涼とした終わり方はすごいです。ただ、死ぬ前に善行を積みたいと考えた大富豪の話「ピルグリム」などは童話「幸福の王子」となぞらえてかなりいい話に仕上がっています。六道神士の引き出しの多さを窺い知れる作品とも言えるでしょう。
個人的には「エクセル・サーガ」とはまったく違った方向のギャグを出してくるってだけでもすごいと思うのですけれどね。ギャグ漫画家ってどうしても笑いの引き出しは似てきてしまいますし。フィオもビオラもこの作品にしかいないキャラ(強いて言えばフィオは「市立戦隊ダイテンジン」のテンジンソラリアが近い?)ですしね。
なんでもありのこの作品が、もしかすると六道神士のコアなのかもしれませんね。
- 作者: 六道神士
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2006/07/26
- メディア: コミック
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