OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

先週の読書記録

2009年2月9日 - 2009年2月15日の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2316ページ

金剛石のレンズ (創元推理文庫)■金剛石のレンズ (創元推理文庫)
今から150年も前にこんな小説があったのか。ポーより断然現代に通用すると思う(ポーは狂気が強すぎる)。そこはかとなく漂うダメ人間的思考が魅力的。「ワンダースミス」は冒険小説の王道といえば王道だが面白い。これがマイベストかな。
読了日:02月14日 著者:フィッツ=ジェイムズ オブライエン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4488538029


わが名はコンラッド (ハヤカワ文庫 SF 178)■わが名はコンラッド (ハヤカワ文庫 SF 178)
ゼラズニイの長編第一作。ギリシャ神話を下敷きにしているらしいが、ギリシャ神話を読んだことがないのでよくわからない。SF的なものよりも、土着的な要素が強い気がした。滅びゆくものの燃え尽きる前、一瞬の煌めきを記録しているように思う。
読了日:02月14日 著者:ロジャー・ゼラズニイ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4150101787


風が強く吹いている■風が強く吹いている
文句なしに面白かった!大勢で何かを成し遂げるということ、そのための試練は、走り抜ける一瞬のために課される。本当に一瞬で終わってしまうから儚い。だからこそ美しいのかもしれない(だから終章のタイトルは「流星」なのか)。走者ひとりひとりの背景が走ることに重なる駅伝の描写には胸が熱くなった。
読了日:02月13日 著者:三浦 しをん
http://book.akahoshitakuya.com/b/4104541044


冥途―内田百けん集成〈3〉   ちくま文庫
■冥途―内田百けん集成〈3〉 ちくま文庫
非常に不思議な作品。よく怪談として名前が挙がるので身構えていたが、怖さよりも懐かしさを感じた。内田百けんの文体は、ぼんやりしているしくっきりしている、温かいし冷たい、軽いし重い。死が軽く扱われているように思えるが、恐らくこの世界では生と死の境目が曖昧になっていて、それゆえ死の比重が軽くなっているのだろう。
読了日:02月11日 著者:内田 百けん
http://book.akahoshitakuya.com/b/4480037632

黒猫・黄金虫 (新潮文庫)■黒猫・黄金虫 (新潮文庫)
怖っ!全体的な雰囲気から怖さを感じる。アメリカの作家というのが信じられない。湿っぽい印象からイギリスだと思ってた。恐らく訳しきれない部分もあるのだろうけど、それでも十分に怖い。
読了日:02月09日 著者:エドガー・アラン・ポー,佐々木 直次郎,Edgar Allan Poe
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102028013


イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫)
■イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫)
極寒の下の収容所における過酷な労働状況をああ、これぞロシア文学!という文体で描いている。作者は明らかに労働者に肩入れしている(ごもっとも)が、同時に「怠け者」や「エゴイスト」の存在を認めている。これをバリバリの社会主義政権下で指摘したのは凄い。1962年当時の圧政下で発表した勇気と、その後のソ連崩壊を考慮した上で。
読了日:02月09日 著者:ソルジェニーツィン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102132015

魚神■魚神
図書館で最初の数ページを読んだ時点でこれは家でゆっくり読むべき本だと思いカウンターに向かった。川上弘美さんの小説に「向こう側」からこちらを誘い込むような存在が出てくることがあるが、これはその存在が本という形をとって具現化したようなものだとさえ思った。独特の温度を持っていて、南国のとは違ったぬるさの中にぞっとするような寒さがある。
読了日:02月09日 著者:千早 茜
http://book.akahoshitakuya.com/b/4087712761



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