OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

先週の読書記録

2009年3月9日 - 2009年3月15日の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3590ページ

遠まわりする雛遠まわりする雛
クドリャフカの感想で書いたことの理由がわかった気がした。「古典部」シリーズは日常の謎を扱った人が死なないミステリー、だが、本当にそうなのか。少なくともスニーカー文庫から出ていた頃には本当に人が死にそうな雰囲気があった気がする。テレビドラマTRICKのような後味の悪さ。それがハードカバーになって無くなった気がした。その後味を最も強く感じたのがスニーカー時代の「正体みたり」だったわけだし。
だがそれは筆の技術が上がったため毒を隠すようになっただけなのかもしれない。その証拠としてラスト二編ではこの居心地の良い古典部4人の関係が決壊する兆しを見せている。果たしてこの先どうなるのか「わたし、気になります」。
読了日:03月15日 著者:米澤穂信
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048738119


クドリャフカの順番 (角川文庫)クドリャフカの順番 (角川文庫 よ 23-3)
暗い曲ばっかり歌っていたバンドが突然明るい作風に、でも確かにそのバンドに感じていた魅力は感じられる、そんな印象。エレガントの一言。これを最高傑作とする声もうなづける。


読了日:03月15日 著者:米澤穂信
http://book.akahoshitakuya.com/b/4044271038


バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
日本橋ヨヲコの「極東学園天国」を思い出させる特殊な学園モノ。なぜ特殊なシステムの学園の話はこれほどまでにワクワクするのか。終始ゲラゲラ、ラストはニヤニヤ。


読了日:03月14日 著者:井上堅二
http://book.akahoshitakuya.com/b/4757733291


テンペスト 下 花風の巻テンペスト 下 花風の巻
読み終わったとたんに雨が降りだしたのがもうね…。幕末の琉球という激動の時代と、それに寄り添うような寧温/真鶴たちの青春。読み終わるのが惜しいほどだった。誇りに思います。明日は首里城でも見てこようかな。


読了日:03月13日 著者:池上永一
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048738690


テンペスト  上 若夏の巻テンペスト 上 若夏の巻
信念を持っている人は見ていて気持ち良い。現代的な表現が引っ掛かるところも多いが、これだけの物語を紡ぎだしてくれた作者に拍手を送りたい。あと、この壮絶な物語のリラックスポイントとなっているのが多嘉良だと思う。
この作品のご都合主義が気になる人も多そうだけど、ご都合主義の権化シェイクスピアからタイトルを拝借している以上かなり意図的ではないかと思います。
読了日:03月13日 著者:池上永一
http://book.akahoshitakuya.com/b/4048738682


シシリエンヌ (新潮文庫)■シシリエンヌ (新潮文庫)
ケッチャムの次に読む本じゃなかったな…orz。ここに出てくる人たちは「強い」けどその強さゆえに幸せになれなかった人たちだ。一方で「弱い」バルトラングが幸せになっててね。その辺の不条理さがぐるぐる回ってあーもうって感じだ。あと、私はファッションに全く詳しくないのだけれどYohji Yamamotoが気になった。

読了日:03月12日 著者:嶽本野ばら
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101310726


隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)■隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)
「正しさ」が通じない人がいる。そういう人に「正しさ」を説いても、すでに自己正当化が完了しているので何を言っても聞かない。常に「正しさ」を探し求める善良な市民は弱い。この作品を読んで感じたのはそんなことだった。子供だから、正しかったから弱く、強い者に勝てなかった。二時間ほどで読み終わるくらい読みやすいが、世間の不条理さがこれでもかというくらい描かれている。
読了日:03月11日 著者:ジャック・ケッチャム
http://book.akahoshitakuya.com/b/459402534X


草祭■草祭
美奥という架空の町とその周辺をもとにした作品集。どれもこれも、「ゆきて帰らず」の物語で、個人的にこういう話は怪談の醍醐味だと思っているので非常に楽しめた。柔らかい語り口も寂しい読後感も好み。まだまだ美奥には隠された秘密がありそう。

読了日:03月11日 著者:恒川光太郎
http://book.akahoshitakuya.com/b/4103130415



儚い羊たちの祝宴■儚い羊たちの祝宴
十分面白かったけど、キャッチコピーでハードル上がっちゃったかな。物足りない気もした。意外とワンパターンな気もしたし。でも、乱歩直系の雰囲気は好みだった(乱歩は私の読書体験のスタートなので)。最後の作品だけは一義的な解釈をしないほうがいい気がする。

読了日:03月11日 著者:米澤 穂信
http://book.akahoshitakuya.com/b/4103014725


木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)■木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫 Aチ 1-1)
探偵小説というよりは冒険小説といった趣。探偵は出てくるけど推理はあまりしないからね。探偵とは体制側なのか革新側なのか考える意味で重要かも。ご都合主義と長台詞が19世紀の小説のよう。ラストは観念的でちょっと理解できなかったのでいつか読み返したい。

読了日:03月10日 著者:チェスタトン
http://book.akahoshitakuya.com/b/4334751571


読書メーター
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