OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

6月の読書記録

ああ、このころはひたすら受験勉強やってたなあ
2009年6月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:4787ページ

ガープの世界〈上〉
初アーヴィング。生と死と精子と戦争と女性運動と教育と文学の混沌の中からすくい上げた強い物語。濃いです。ガープはなかなかダメ人間だよなー(そこが魅力でもあるが)。下巻も読んできます。
読了日:06月30日 著者:ジョン アーヴィング
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102273018

デミアン (新潮文庫)
666冊目!わりと薄めの本だが読むのに時間がかかった。すべて理解できた気はしない。青年期にはよく、自分の考えのどこまでがオリジナルなのか、そもそもオリジナルな考えなんてないんじゃないかとか考えた。そのことをこの鮮やかなラストシーンで思い出した。デミアンカッコヨス。
読了日:06月29日 著者:ヘッセ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102001026

■一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)
単音から展開するフリージャズのような印象。私の想像力では及ばないほどの素敵な悪夢の世界、それでも頭の裏にありありと映像が浮かんでくるのは筆の力か翻訳の力か。さすがに何十本も続けて読むとお腹いっぱいなわけですが。
読了日:06月29日 著者:バリー ユアグロー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102209115

■イリュージョン (集英社文庫 ハ 3-1)
十字架に磔になったイエスキリスト、百万本の剣に刺されたお姫様(少女革命ウテナより)。この世の災厄を引き受けた救世主。今の私にはこの本が、一種の絶望をもって人々の愚かさを描いたようにみえるけど、エピローグでの会話の多幸感を見るかぎりきっとそれが全てじゃない。読むとき読むときで、違った印象を受けるのだろう。しばらくしまっておく。
読了日:06月28日 著者:リチャード・バック,村上 龍,Richard Bach
http://book.akahoshitakuya.com/b/4087600688

天地人 下 新装版 人の巻 (3)
そして最終巻。解説でも書かれているが、ここが直江兼継の人生のクライマックスだ。むしろ戦乱の世を過ぎた後の政治家としての直江氏に惹かれたりする。歴史小説は一種の青春小説でもあるな、と終盤の真田幸村との杯をかわす場面で確信した。
読了日:06月20日 著者:火坂 雅志
http://book.akahoshitakuya.com/b/4140055553

天地人 中 新装版 地の巻 (2)
そして直江氏自身の「義」を用いて戦乱の世をどう渡っていくか。気になったのは、「天の巻」でも所々出てきたアンチ信長思想が前面に出てきているな、ということ。私も特に好きなわけではないが、あまり出されると興醒めかな。それ以外は面白かった。
読了日:06月20日 著者:火坂 雅志
http://book.akahoshitakuya.com/b/4140055545

天地人 上 新装版 天の巻 (1)
歴史小説はほとんど読んだことがないのだけれどこれだけは言える。やはり歴史という物語には迫力がある。ただ歴史著述はわりとあっさりした印象だった。直江兼継上杉謙信から「義」を受け継ぎ、自分だけの「義」を見つけ出していくまでの話。
読了日:06月20日 著者:火坂 雅志
http://book.akahoshitakuya.com/b/4140055537

■難解な本を読む技術 (光文社新書 406)
「登山型」「ピクニック型」とか「開かれた本」「閉じられた本」などの区別はなるほどと思った。ただ、これは十分「専門的」な読み方じゃないのか。難解な本に取り組む姿勢として参考にはなったけど、実行するとなると面倒くさそう(三色ボールペン法も面倒くさかったし)。
読了日:06月19日 著者:高田明
http://book.akahoshitakuya.com/b/4334035086

三谷幸喜のありふれた生活
私は三谷幸喜のファンで、映画やドラマには毎回笑わせてもらっているのだけれども、エッセイも大好きだ。三谷さんの人柄が伝わってくるような語り口に、うまくまとめられたエピソード。これぞエッセイと思う。あと小林聡美さん素敵です。
読了日:06月13日 著者:三谷 幸喜
http://book.akahoshitakuya.com/b/4022577193

■告白
かなり流行りから遅れて読む。悪意が最悪のタイミングで重なり合い、悲劇が悲劇を生む。小説としては疑問符がつくのだけれど、このどうしようもない読後感は「疾走」を思い起こさせる。
読了日:06月12日 著者:湊 かなえ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4575236284

■悩む力 (集英社新書 444C) (集英社新書 444C)
確かにわりと悩みがち考えこみがちな人間として共感するところ大だったのだけれど、漱石ウェーバーをヒントに、というよりは自説を展開するために漱石ウェーバーを持ち出している気がして、イマイチ信用できなかったかも。問題なのはこの「悩む力」が「悩まない大人」に対してどれくらいの対抗力になるかということ。これだけ売れただけでもある程度成功しているのかも知れない。
読了日:06月12日 著者:姜 尚中
http://book.akahoshitakuya.com/b/4087204448

バカとテストと召喚獣 2 (ファミ通文庫)
1巻を初めて読んだ時ほどの笑撃はなかったけど、相変わらず高水準の笑いを届けてくれました。小さな活字が大活躍していた。あと、これヒロイン秀吉ですよね?
読了日:06月11日 著者:井上 堅二
http://book.akahoshitakuya.com/b/4757735057

アニメ文化外交 (ちくま新書)
本書の中にもあったが「アニメの重要さを最も理解していないのは日本人なのかもしれない」。テレビとかで海外での日本のアニメの浸透度とかやられると冷めてしまうのだけれど、実際にその空気を体験してみると違うんだろうな(私はパスポートすら持ってないよ)。文化外交のカードとしてアニメがどれくらいの力を持つか、データとしての例証は足りないけれど、可能性を感じた。
読了日:06月09日 著者:櫻井 孝昌
http://book.akahoshitakuya.com/b/4480064877

■「生きづらさ」について (光文社新書)
非正規雇用労働者とナショナリズム傾向の繋がりがわかった。雨宮さんな話した石原都知事のエピソードには絶望せざるをえない。派遣問題をめぐる言説は盛んに飛びかっているけれど、一方で安倍元総理や麻生総理をボンボンだと言って叩く流れがあるように、国民は郵政民営化の頃から変わってないよ。これだけ非正規雇用労働者の過酷な待遇が描かれているけど、これが書かれた時期は比較的景気の良かった2007年だよ。雨宮さんはこういった「無知のベール」を外すのにかなり貢献していると思う。
読了日:06月08日 著者:萱野稔人,雨宮処凛
http://book.akahoshitakuya.com/b/4334034616

トウキョウソナタ(竹書房文庫た1-1) (竹書房文庫 た 1-1)
黒沢清監督の映画のノベライズ。映画では観る人の想像力に委ねられていたところが登場人物の内言として語られてしまうのは仕方ないにしても少し不満が残った。それを差し引いてもこのストーリー展開に身を委ねる快楽はいいね。家族の再生に繋がるガス抜きとしての逃避や映画では感動的だったラストはちょっとあっさりしすぎかな。
読了日:06月08日 著者:田中 幸子
http://book.akahoshitakuya.com/b/481243596X

■日本の難点 (幻冬舎新書 み 3-1)
図書館で読んだが、とりあえず購入確定。「一枚上手」という印象を受けた。価値観をひっくり返すことを徒に煽るような印象もあるので落ち着いた時に再読する必要も感じた。ただ、利他的な人間こそ魅力的だという意見はまさに普段から考えていたことだったので、私は基本的にはこの言説に賛成の立場を採りたい。
読了日:06月08日 著者:宮台 真司
http://book.akahoshitakuya.com/b/4344981219

■どこまでやったらクビになるか―サラリーマンのための労働法入門 (新潮新書)
フランクな文体でサクサク読めた。特に興味を持ったのが「内部告発」のところで、一応法的に保護されているものの告発者の地位は未だ不安定なところにあると感じた。あと労働組合と争議行動について触れて欲しかったところ。
読了日:06月05日 著者:大内 伸哉
http://book.akahoshitakuya.com/b/4106102773

■ないもの、あります (ちくま文庫 (く21-5))
慣用的な言い回しを転じた商品を、エスプリのきいた言い回しで紹介することで人生訓を伝えている。面白かった。ところでいつの間にか私の部屋に住み着いている「怠け虫」の殺虫剤はないものかね。
読了日:06月04日 著者:クラフト・エヴィング商會
http://book.akahoshitakuya.com/b/4480425713


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