OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

先週の読書記録

2009年7月13日 - 2009年7月19日の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2456ページ

北回帰線 (新潮文庫)■北回帰線 (新潮文庫)
おそらくは、ミラー自身のパリでの生活をもとにした、酒と性愛に満ちた活気溢れる交流の物語。でもミラーってパリ生活の頃はすでに30〜40代なんだよね。結構シモ関連(色々な意味で)の話も多く、一部を除いてストーリー性は乏しいけど、活気に引き込まれてページを繰る手が止まらなかった。ミラーのライフスタイルには賛否両論あるだろうけど、憧れるところはある。


読了日:07月19日 著者:ヘンリー・ミラー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102090010

ファイト・クラブ (ハヤカワ文庫NV)ファイト・クラブ (ハヤカワ文庫NV)
ボクサーのステップにみる音楽的な美しさを文体に組み込んでみるとこうなった。そして描かれる暴力の拡散。全体を通して苛立っているような陶酔しているような。パラニュークはRyu Murakamiはご存知かしら。映画も観てみます。


読了日:07月19日 著者:チャック・パラニューク
http://book.akahoshitakuya.com/b/4150409277


この日をつかめ (新潮文庫)■この日をつかめ (新潮文庫)
小説を読むと頭の中に映像が浮かんでくるものだが、私には44歳相応のトミー・ウィルヘルムを想像することはできなかった。作者は本文中でウィルヘルムに対し直接的に評価は下していないものの、読者はウィルヘルムの自分を省みないダメっぷりに呆れざるをえないし、時には身をつまされる気分となる。それゆえにラストの皮肉なユーモアをどうとらえるかが問題となる。私は、あとがきにある捉え方とは正反対の意見です。


読了日:07月19日 著者:ソール・ベロー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4102049010

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
あまり得意ではない戦争ものだが、教養を塗した会話(あるいは内的会話)が中心だったので面白く読めた。戦争の特殊性。そこでは死という人間が最後に残しておきたい尊厳すら記号化する。cf)ゴダール気狂いピエロ」。その対照としてシェパードの母。死についての意識が変わった世界を伊藤計劃は現実と地続きに描いている。異常な現実観を教養という糸によって彩なす、希有な才能だったと思う。合掌。


読了日:07月15日 著者:伊藤計劃
http://book.akahoshitakuya.com/b/4152088311

天使の囀り (角川ホラー文庫)■天使の囀り (角川ホラー文庫)
素晴らしい。医学や心理学や神話などの教養が絡まりあって、ストーリーを展開していく。後半からの展開は見事だった。確かに想像力のありすぎる人は読んでいて苦痛に思うかもしれない。ぐにぐにと歪められた倫理感が、少しずつ是正されていくような快感を感じるとともに、読んだ後しばらくは色々考えさせられる部分もあった。


読了日:07月14日 著者:貴志祐介
http://book.akahoshitakuya.com/b/4041979056

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)
舞城は2冊目。この人の文体は非常に音楽的だと思うんですよね。ミッシェルガンエレファントがラブソングを歌ったような感じ。そして、この作品全体に流れるもの悲しさはなんだろう。ストーリーは破綻しているようで、前に進んでいるようで、結局どこへ向かっているのやら。けど好き。これは理屈抜きで楽しむものなのかもしれない。


読了日:07月13日 著者:舞城王太郎
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062760819

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)
あまり得意ではない戦争もの。最初は劇中専門用語が乱れ飛ぶ文章に辟易した。空中戦の描写については詳しくはわかりません。しかし、零の内面性に的を絞ってからは面白く読めた。零という、戦闘機に愛情を抱き、冷徹に仕事を遂行する者が、機械の優位性に翻弄され人間の無価値を認めざるを得なくなる。


読了日:07月13日 著者:神林長平
http://book.akahoshitakuya.com/b/4150306923


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