OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

American Beauty/O.S.T.

アメリカン・ビューティー
Release 1999.10.1
 1999年の映画、『アメリカン・ビューティー』(サム・メンデス監督)のサントラ。
 映画はすごく語りがいのある内容なのでぜひ観てほしいのですが、このサントラも秀逸。ジャズボーカルからロックンロールを経てインディーロックまでも収録されています。
 オープニングを飾るトーマス・ニューマンのインストは、ニュース番組のBGMでも時折かかっているような、不穏な雰囲気を出すナンバー。続くエリオット・スミスの「Because」は美しいハーモニー。続いて、このサントラはとにかく雑多な音楽が一斉に収録されているのが特徴的なのですが、M-3のフォーク・インプロージョンやM-6のイールズのように、インディーロックらしくビートがほとんど消失したナンバーが収録されている一方で、M-4のフリー、M-7のザ・フーのようにビート感あふれるロックンロールが収録されていて、それが交互に出てくるのも面白いと思います。
 また、合間をつなぐビル・ウェザースボビー・ダリンベティ・カーターなどのジャズ・ボーカル、ビッグバンドのナンバーも、いい感じでアルバムの統一感をそいでおり、映画のテーマでもある世代の断絶を選曲で表しているようでした。
 そういったものが集結するのがM-10ゴメス「We Haven't Turned Around」。最新の音作りでありながら普遍性のあるグッドメロディーはそれまでの不統一感を払しょくするようです。
 それに続くペギー・リーのジャズナンバー「Bali Ha'i」のけだるい歌い方は映画の皮肉なエンディングを暗示しているかのようだし、ラストを飾るトーマス・ニューマンのインスト「Any Other Name」の美しさはラストに感じたよくわからない感動がよみがえってきます。
 こういうちぐはぐなサントラもたまにはいいのではないのでしょうか。

★★★★★★★☆☆☆