OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

Anthology/Sly & The Family Stone

アンソロジー
Release 1981

 60年代〜70年代にかけて活躍したファンクロックバンド・スライ&ザ・ファミリー・ストーンのベストアルバム。
 ファンクはやっぱり聴いていて気持ちがいい。こういうと叱られるかもしれないけれど、現在のポップスに影響を与えていることがありありと感じられ、ジェームズ・ブラウンに比べアクの強さは感じませんでした。
 ただ、それは比較対象がファンクアイコンとも言うべきJBだからというだけで、キャラクター個性の強さで勝負するJBに対し、普遍的な高い音楽性で勝負するスライといったところでしょうか。
 たとえば問題作『暴動』収録作にしても「Family Affair」のような暗さを感じさせるナンバーは多いけれども聴かせてしまえるようなソングライティング力の強さを感じました。
 むろん、初期の「Dance To The Music」「Fun」「 I Want To Take You Higher 」のような陽気なナンバーは素晴らしいし、ラストの「 Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be) 」に見られるソウルバラードの曲作りが現在のR&Bに与えた影響は看破できないでしょう。
 ただ、「Don't Call Me Nigger, Whitey」には狂気を感じます。俺には完全に理解できないけれども、これが虐げられた者の煩悶なのでしょう。

★★★★★★★★☆☆