Antichrist Superstar/Marilyn Manson
マリリンマンソンの2枚目のアルバム。
アイコンとしての力が強くなりすぎると音楽面での評価が難しくなります。マイケル・ジャクソン、マドンナ、近年ではレディ・ガガがそれにあたります。
マリリン・マンソンはオルタナティブ・ロック部門でのアイコンです。だからこそ、色眼鏡で見られやすいのですが、改めてこのアルバムを聴いてみたところメディアの影響で誤解されている部分も大きいと思いました。
コロンバインの事件に影響したと噂される歌詞に関しては英語のリスニングができないのでよくわかりませんが、まずサウンド。この作品ではそれほどメタル臭さは感じず、むしろどんどんデジタルノイズやフィードバック・ノイズを添えて気持ちの良い音にしている一方で、ウィスパーやシャウトをある種演劇的に使い分けることで、いや、そんなギミックを用いなくとも自身が歌っているだけですべての曲に「マリリン・マンソン」の印をつけるマリリン・マンソンのカリスマ性を感じました。
そもそもアイコンとして存在している人は、パブリックイメージの操作に長けていることに他ならないわけで、その点が音楽面でも反映され、非常に分かりやすい「狂気」を現した作品になっていると思われます。
今聴いても新しい発見があると同時に、当時のオルタナシーンの熱を知ることのできる作品です。
★★★★★★★★☆☆