OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

Appetite For Destruction/Guns 'N' Roses

Appetite for Destruction
Release 1987.8.21

 ハードロックの雄、GUNS'N'ROSESのデビューアルバム。
 ハードロックというジャンルは俺にとって、聴いたらカッコいいと思うけれど先鋭性のないジャンルだという偏見がもともとありました。けれども、このアルバムを聴く限り、確かに先鋭性という点ではそこまででもないのかもしれないが、カッコよければいいんじゃないのかという気がしてきました。
 ガンズは決して演奏がムチャクチャ巧いわけじゃないし、音楽性が時代の先を行っているわけでもない。けれども、このアルバムがHR/HMファン以外にも訴えかける力を持つ理由は、その問答無用のカッコよさに「ああ。これがハードロックか。」という説得力があるからと思うのです。
 ハードロックど真ん中のカッコよさ。
 アクセル・ローズのシャウトはカッコいい。代表曲M-1Welcome To The Jungle」から空気をつんざく勢いを見せている。その上M-2「It's So Easy」に入ったとたんクールな唄法に切り替わるのもゾクっとする。
 それ以降も勢いは落ちず、M-6「Paradise City」中盤以降の展開には脳髄揺さぶられまくり!だし、代表曲M-9「Sweet Child O' Mine」はポップだけど決して勢いをそいではいないし、M-11「Anything Goes」はラストの20秒だけロックンロールになるのだけれどここに1秒たりとも無駄にしない貪欲にアイディアを詰め込む姿勢を感じることができる。演奏やグルーヴからも感じるけれど、ロックンロールやパンクのアティテュードをハードロックに昇華した傑作です。
 全編を通してハードロックのホットな部分とクールな部分をこれでもかというくらい堪能できる名盤でした。

★★★★★★★★★☆