OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

Aurora/平沢進

Release 1994.2.25
オーロラ

 平沢進のソロとしては4枚目のアルバム。
 前作までには必ずあったようなエキセントリックな曲はあまり入っていなくて、全体を通してゆったりとした曲が多い印象。M-2「LOVE SONG」、M-3「オーロラ」などでみられる平沢進のボーカルには低音の使い方が際立っていて、全体を通してすごく美しい音だと感じます。
 平沢進の音楽は、P-Modelというテクノバンド出身ではあるし、コンピューターも使ってはいるけれど不思議とダンスミュージックという印象はしない。あくまでも主役は「歌」だと思う。平沢進という強烈な個性が中心に据えられていて、彼にかしづく機械たち、という印象。
 M-4「力の唄」、M-5「舵をとれ」、M-8「広場で」などで見られる民族音楽へのアプローチも、非常に土着的なものを感じる。そして、13分にもおよぶM-9「トビラ島」は平沢進の機械性と土着性が結実したような大曲。アルバム中では明らかにトラックが主体の曲なのに、平沢進の歌心もきちんと感じられるというすごい曲。
 決してすんなり入ってくるわけではない(とはいえ平沢進のつくる曲にはどこか普遍性があると思ってはいるが)し、奇抜さもた作品に比べるとあまりないため地味に思えるかもしれないけど、聴けば聴くほど魅力が現れる名盤です。
 

★★★★★★★★★☆