OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(★☆☆☆☆)

2011/6/23鑑賞

@シネマQ



物足りない映画とは思ったけれど、同じ日に『プリンセストヨトミ』を観たおかげで相対的に評価が上がった感じ。



前田敦子に関しては、美人かどうかの評価は保留するとして、この方は顔のパーツが真ん中よりになっているため、ふだんAKB48の時にしているような、輪郭が隠れる髪型じゃないとダメだと思う。
けれども本作では、原作に合わせたのかポニーテール未満の髪型で、その特徴が前面に出てしまっている。
うた魂』でも夏帆を可愛く取れていたわけではないのにな・・・。あまりアイドルを可愛く撮ることが出来ない監督さんだと思う。


そもそもさ、前田敦子ってイマイチ能動的なイメージがない。
このキャラクターは峯岸みなみがモデルらしいから、まずそこでミスキャスティングが発生しているわけ!
だからさ、みなみというキャラクターはそのまま峯岸みなみをキャスティングして、後輩のキャラクターを改変して主役にしちゃえばいいじゃない。もし峯岸じゃ客呼べないっていうならさ。
だいたい、なんか峯岸が後輩キャラってなんか違和感がある。

夏帆は腐っても夏帆みたいな美人さんだし、この映画でも川口春奈はどこを切ってもキュートに撮れていた。
だからね、完全に素材に左右されるようだとアイドル映画失格でしょ。
アニメ版にあった同性愛的要素の付加みたいなフェティシズムがあるわけでもないし、田中監督は変態度合が足りない。



あと、脚本の欠点として最大のもの。
川口春奈に出来なくて、前田敦子に出来るものがあった。だから彼らは強くなったのだ、みたいなのがはっきりしないこと!
大泉洋を焚きつけて戦略を練らせるみたいなのは、川口春奈にもできたような気がしてならない。
部員の悩みを聴くのも川口春奈の役目だし。
けど川口春奈はよかったね。ちょいハスキーな声とか。

まあ、そもそも大泉洋がちょっと強く出るだけでチーム全体がやる気出すなんてのは、ちょっとファンタジー過ぎると思うけれど。
きっと野球経験者にとってはツッコミどころ多いのだろうな。
それは詳しい人に任せるとして、僕は映画ファンとして批評します。



まず、やる気を出させるにあたって、実はこんなに明確に問題がはっきりしていたら楽だと思うんだ。
自分も団体競技の経験があるし、しかも失敗といってもいいくらいの経験があるから思うんだけど、実際には団員同士の温度差みたいなのが確実にあって、真面目な人が不真面目な人の分まで働かなくてはいけなくて、それゆえに真面目な人も不真面目な人も団を去ってしまう、みたいな問題は確実にあるわけでしょ。
こんなに明確に問題がはっきりしている野球部なんていないんだ!
こういう問題ってのは、もっとリアルに即してないといけないと思う。
だって、この原作は「ビジネス書」でしょ?
登場人物に何らかのトラウマを背負わせないと物語を動かせないのは、悪い癖です。



あとは、全体を通して青春めいたシーンは好きなのでそこまで評価は低くならないけど、川口春奈が死ぬあたり〜前田敦子が試合に戻るまでは結構ひどいと思う。
そもそもテーマが揺らいじゃっているんだよね。
あそこで「真摯さ」を捨てちゃってるじゃん!って。