OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ワラライフ!!(★☆☆☆☆)

2011/7/14鑑賞

桜坂劇場



 或る意味話題作だったので観に行った。

 木村祐一監督第2作。



 市井の人々のささやかな幸福の瞬間を描いた作品ならば、私の好物であるはずなのに。
 これは「シュアリー・サムデイ」みたく、形式的には面白くなりそうなのに中身がないため駄作になってしまったパターン。



 まず、そのワラライフな瞬間がさ、全然「あるある」って感じじゃない。これ、お笑い芸人さんが監督したとかんがえると致命的な欠点。
 細部に凝っているがゆえに、ねーよwwwいや、ひょっとしてあるかも?ってな具合に考えさせられるくらいにはならないとダメなはずなのに。
 だが、ここで描かれるのは徹底的にベタな光景。だから、オチのないエピソードの羅列にしか見えない。
 なんかワラライフげ。


 こういった形式で作るにはエピソードをモザイク状に配置して、一見ばらばらに見えて後から考えると全体のテーマが浮かび上がって見えるとか、そういった感じが必要。
 ストーリーに重きを置いていない作品というのは、例えば画面が岩井俊二レベルにはっとするほどきれいとか、そういったところで惹かなくてはいけないけどそれもない。

 

 完全に邪推。にすぎないんだけど。
 木村祐一って、3度も離婚しているわけじゃん。今4人目だっけ。
 玉置浩二ならいざ知らず、なんであんな料理しか特色のない人がそんなにもてるのかわからないのだけれど、
少なくともここから言えることは、木村祐一って平凡な家庭を築くのに向いているひとではないんだよね。
 だからさ、ひょっとしてこの映画って、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・プレインビューが家族のイメージに共感するように、彼にとって決して手に入らない幸せを描こうとして、けれども彼の中にそのイメージの元がリアルなものとして根付いていないからこんな薄っぺらいものになってしまった。


 なんてね。



 あとは、「ワラライフ」という言葉の現実との折り合いの悪さだとか
 香椎由宇の最後のセリフがテーマを台無しにしてしまっていること、だとか。



 とにかく、どうも乗り切れない作品でした。

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