OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン(★★★★☆)

2011/8/10

@シネマQ



 サービス精神旺盛な人というのは、周りの要求に応えるために身を削っていく。
 その状況はどんどんエスカレートしていくし、周りの要求はどんどん高くなっていく。
 僕自身がそんな状況に疲れてしまっていた。段々、周りの人に荷物を押しつけられて、自分だけが貧乏くじを引いている気分になってしまうのだ。
 その状況に対しては、周りの要求を無視するか、あるいはその要求に対してその上を行くものをつきつけて文句を言わせないかのどちらかの方策を取らねばならない。
 僕は前者を選んだ。後者は、とてもじゃないがそんな技術はなかった。
 

 前置きが長くなったが、マイケル・ベイ監督は後者を選んだのだと思う。
 ストーリーは確かにつっこみどころが満載かもしれないが、少なくとも鑑賞に支障をきたさない程度にはなっていると思う。
 それよりも、細部までこだわったメカ表現や、今まで観たこともないようなアクションシーン。
 これは観客が望んでいることの遥かに上を行くことであり、マイケル・ベイ自身がやりたいことでもある。
 僕は正直こういったものを見せられて文句を言える神経がわからない。
 この映画を観ているとちゃんと監督が観客のことを考えていることがわかる。その方向性がいくぶんエクストリームな方向に行っているとしても、僕はその姿勢を責める気にはなれないし、むしろ好感が持てる。
 観客がその要求を行くところまで行きつかせて、その結果生まれたものに対して行き過ぎだと文句をつけるのは身勝手ではないのか。
 僕はマイケル・ベイを支持する。過去「パール・ハーバー」という作品で覚えた不信感を今回だけは忘れてもいい。