スノーフレーク ★
どうしてこうなった・・・。
乱反射でも目についた、バストアップの切り返しの多用。「乱反射」はまだ他にもテクニックを用いていたので小津オマージュと取られかねないところもあった。
けれども、これを観て気づいた。ああ、単純に何も考えていないだけだ。
「乱反射」ではまだまだ伸びしろがありそうに思えた役者陣の演技も、えっ、って思うくらいひどい。
これ、演出も何もしてないんじゃないか?
青山ハルは確かに共演作『君に届け』でもひどかったけどさ・・・。
まずね、桐山美鈴という方はすでにメジャー作『君に届け』で胡桃沢梅という磁力の強いキャラクターを演じている。
そのため、その呪縛をふりほどくのに一生懸命なところで、だからこんなに外見的に近しいキャラクターを設定してはいけない。
あと、これ典型的な駄目ミステリー。
解決が向こうからやってくるタイプ。
犯人があとからどんどん自分でしゃべるのやめようよ。
主人公が真相に気づく原因が犯人のポカってのも興ざめだし。
あと、、実は犯人は誰も殺していなかったんだー、ってところ。あそこ絶対おかしいと思うんだけど。
演出、ギャグ?
最初にユーマくんが登場する時さ、このシーンは「スノーフレーク」中最も美しい映像を魅せるシーンなのだけれども、最初観た時演出のせいもあって夢の中の出来事だと思った。
そして、そういう演出をする意味をまったく感じない!
あとさ、イシちゃんのことを主人公が知らなかったのってありえなくね?
イシちゃんがいじめられている時にはやくんがパンを差し出すけれど、ここ、どう見ても対等に見ているようには思えないのね。
これはデリカシー欠ける演出だと思う。
何ていうか全体を通して演出が安っぽくて、早く帰った夕方にテレビをつけるとやってる低予算ドラマの再放送みたい。
いや、そういうの結構好きなんだけどさ。。。。
終盤のユーマくんの演技、すごかったですねー・『ライフ』の細田よしひこ君の演技に近いものがありました。
これさ、基本的にみんななんか棒読みで、主人公の親友のコ、あの子が一番ひどかった。
二人が話しているところを少し離して撮るところなんか、なんかこの離し具合がすごく貧乏くさいというか、自主制作的というか映画の中で映画を撮る時のカメラの離し方を連想させるアレで、俺絶対この離し最後はすごいメタ的な展開になるんじゃないかと身がまえたもん。
あとは、全体を通して主人公の動機付けが薄いので退屈する。
ロケーションの良さだけは認めざるを得ない。
ただ、観ていた時は相当苦痛だったのだけれども、なぜか忘れることのできない作品。
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