ラブ・アクチュアリー('04/リチャード・カーティス)(★★★☆☆)
2012/1/2鑑賞
DVD
2004年に公開されたラブコメ群像劇。イギリス英語の学習に適した映画としてもおなじみ。
とにかく全編を通してハッピーな映画。
だから、物語上の葛藤とか、そういった部分は(一応描かれているものの)若干弱めだと思う。特に序盤なんか、まだ思い入れも生まれていないキャラクターがどんどん愛をはぐくんでいくため「おいおい、置いていくなよー」みたいな気分になる。
けれども、このハッピーのグルーヴも積み重ねでね。どんどん物語に参加していく気分になるわけよ。後半のたたみかけはちょっとすごいと思った。例えば、それまで繋がりのなかったエピソードが接点を見せる。これは物語上必然性があるわけではないけれど、この手法により、前述のグルーヴを上げていく効果があるのだと思った。
個人的に好きなエピソードとしては、リーアム・ニーソン演じる父親と息子の仲の良さとか、コリン・ファース演じる小説家のエピソードとかかなり好きだ。あとは、マーク(アンドリュー・リンカーン)がジュリエット(キーラ・ナイトレイ)に告白するシーンはおおげさじゃなく映画史に残るせつなさじゃないかと思う。あれだけ男心くすぐるシーンはないんじゃないだろうか。
ただね、やはり整理された脚本とは間違っても言えない。
ハッピーのグルーヴを上げるという効果以外が発生していないエピソードもいくつかある。たとえば、ポルノ撮影中に知り合ったカップルとか。あと、アメリカに飛ぶ非モテ青年のエピソードとか、あれは絶対挫折させるべきだと思うんだけど。英国首相のエピソードと重ねて、結構アメリカに対して失礼なシーンが多い気がするんだが・・。(一応英米合作映画ではあるけれど)
あとは、個人的な好みになってしまうけれど、やはり正式な物語としてのラストはリーアム・ニーソンの息子に係るシークエンスにするべきだったと思う。なぜかというと、ここまでベタベタなラブストーリーとしてはラストに子供を配置することでちょっと照れ臭い部分を相殺する効果が発生したように思うから。ご丁寧にもリーアム・ニーソンに「映画だって最後が肝心だ」と言わせているんだから。
個人的に最大の問題点としては、この脚本だと一人だけ救われていない登場人物がいること。彼女はどうやら一人でクリスマスを過ごしていたようだし。
いくつか気になる点はあるけれども、ハッピーな気分になれる作品であることは間違いないと思います。
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