映画もまた編集である ウォルター・マーチとの対話/マイケル・オンダーチェ(みすず書房)
ライムスター宇多丸さんが自らの番組でお勧めしていた本、ようやく読みました。
『ゴッドファーザー』や『ジュリア』等の編集で知られるウォルター・マーチさんという方に、作家であり、自身の作品『イギリス人の患者』が『イングリッシュ・ペイシェント』として映画化された際にウォルター・マーチさんに編集をしてもらったという縁のあるマイケル・オンダーチェさんがインタビューをするといった形式になっております。
とにかく、もう面白かった。専門的な話のはずなのにマーチさんの語り口が絶妙で、すんなり頭に入ってくる!
読んでいて思ったこと。僕は映画に関してそんなに知識がなかったころ、監督が編集も兼任しているものだと思っていた。なぜって、こんなに重要な作業を監督が人任せにするはずはないと思っていたから。編集次第で作品の印象と言うのはガラッと変わってしまうものだし。北野武に惹かれた理由もそんなところかもしれない。
さて、編集作業が映画の出来を左右するのは事実だが、マーチさんの言によれば、編集というのはあくまで監督等の意思をくみ取って行うというのがメインになる。それが如実に現れているのが、オーソン・ウェルズの『黒い罠』を再編集した際の取り組み方だと思った。
ウォルター・マーチが編集を手がけた作品を改めて鑑賞して、再度読み返したいと思う。
- 作者: マイケル・オンダーチェ,吉田俊太郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2011/06/22
- メディア: 単行本
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