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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ヘルプ 〜心をつなぐストーリー〜(★★★★★)


2012/5/20鑑賞

@シネマQ



 黒人メイドたちの証言をまとめた本を出版することで世論を変えようとした者たちのストーリー。とてもよかったです。



 この映画が非常に物語として優れており、序盤にブリッジゲームに興じている女性たちの何気ない発言に差別意識が潜んでいることや、それに対比されるかたちで主人公が黒人女性に肩入れする理由なども描かれ、彼女が覚悟を決めるさまがまさに通過儀礼となっていて、素直に物語のグルーヴに乗って楽しめた。



 また、ぼくの周囲ではこの映画を評価している人に女性が多かった。



 これはなぜかというと、きっとこの映画は差別に対する歴史を描いていると同時に、優れたガールズムービーになっているからだろう。

 ガールズムービーを彩る音楽としてブラックミュージックの果たす機能は大きい。私たちが今享受しているブラックミュージックは当然のことながら公民権運動を経たのちに70年代に爆発的なムーブメントが起こり、80年代に洗練されて現在の形があるわけだけれども、そのルーツについてはブラックミュージックを好むだれもが興味津々なのではないか?例えば『バグダッド・カフェ』('87)や『プレシャス』('09)には根の深い貧困が描かれるけれども、同時にそこには音楽が常に流れている。

 内田樹は『プレシャス』を評し、アメリカ映画に初めて生まれた「男性嫌悪」映画だと書いていた(内田樹『うほほいシネクラブ』)。ジャンルを形成するには1本では不十分だ。そしてこれは、2本目の「男性嫌悪」映画なのかもしれない。

 基本的にこの映画には男性は出てこない。出てきたとしても、暴力をふるったり、一度は心を許したものの自分のやることを認めてくれなかったりすることが多い。しかしながら、この映画では一人だけ理解を示す男性が出てくるのだが、全体的に流れとしては女性だけで話が進むと言っていいだろう。

 この映画のサブストーリーとして、一度ヒリーの家を追い出されたミニーというメイドが、シーリアという家事が下手でちょっとおバカな女性のところで働くうちに生まれる絆というものがある。シーリアは言ってみれば女性グループの中心人物から排除された向きがあるし、確かにその天然ボケなところが同性には嫌われる傾向があるものの、一般的な流れである「差別」に与しないという先進性も兼ね備えた女性である。彼女がグループの中での立ち位置についての悩みや、その他もろもろについてシーリアに話すうちに生まれる友情というのは、実は本筋とはあまり関係しない。関係しないものの、このくだり、ぼくはとても好きだ。

 こういったところが、女性同士の友情がきらめいて見える部分で、自分が生涯触れることができないからこそいとおしいと思うのだ。

 現代的な物質文化に浸食されたガールズムービーはちょっとご遠慮願いたいが、『ヘルプ』は男性が観ても素晴らしいガールズムービーになっていると思います。

 

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