BRAVE HEARTS 海猿(★★★☆☆)
2012/7/21鑑賞
@シネマQ
海猿シリーズ4作目。2年ぶりの続編。
前作が『THE LAST MESSAGE 海猿』('10)だったことから、終わる終わる詐欺だと言われていたが、きちんと観てみたらこの映画が撮られる必然性を感じた。
この2年間で何があったか。311。
東日本大震災を経て、私たちの心境は変わった。
震災に対し、劇映画として最も早くアンサーを出したのが『ヒミズ』('11)だった。
ただ、個人的には、あくまでも社会学的な文脈で語られる「フクシマ」より、こちらの映画の向こうに見える「福島」のほうが好感が持てる。
震災があった際に、各地からボランティアが集まった。未曾有の大災害が起こったときに、日本人には必ず助けてくれる人がいる。そういった性善説は、311後に初めて説得力を持った。
そういった希望を、多くの観客動員が保障されているシリーズでやってのけたのは明らかに有意義なことだ。
『海猿』シリーズとして人死にの描写を避けていたり、全体的に地味な印象があったりと甘い所は残るが、少なくともぼくはその姿勢に好感を持った。
それで、おそらく次回作には正面切って311と向き合うことになると思う。
その際には、死者を一人も出さないなどという甘いことはできないし、そこに描かれる絶望も相当のものになると思う。
もちろん、そのような映画が製作されるには未だ被災地に残った傷跡は深いし、まだまだ時間が必要だろう。
だが、そんな映画ができたら、それは間違いなく「希望」となる。
あと、エンドロールはまるでタマフルリスナーをおちょくっているようなつくりになっていた。
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