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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

Keiko('79/クロード・ガニヨン)

2012/9/15

琉球新報ホール





≪あらすじ≫

 女子大を卒業して京都で社会人として働くケイコは二十歳をこえてなお処女であり、単調な毎日に焦りを感じていた。ある日喫茶店で出会った男性に一目ぼれし、関係を持つもその男性に家庭があることを知り、失意に暮れる。そんな彼女を慰めてくれたのが同僚のカズヨだった。(1979年公開・クロード・ガニヨン監督)



 

 クロード・ガニヨン監督のティーチイン付きで鑑賞。『ボンジュール・ケベック』という映画祭の一本。



 監督本人が、いかにもお芝居的な演技に反抗するかたちで作ったというこの映画。確かに映されている時代は1979年のものなんだけど、演技がすごく実在的で、まったく古びていないと感じた。

 その演技はいわゆるドキュメンタリータッチのもので、当時のキネマ旬報では「素朴なリアリズムというか、意表をついた素人っぽい撮り方が妙に新鮮」と書かれていた。

 現在では岩井俊二是枝裕和が多用する手法で、もう人口に膾炙されていると言っていいだろう。ちょっと棒読みにも思えるのだが、そのことが逆に観客に印象付ける役割を果たす。

 おそらく、その出発点がここにあった。



 あらすじを読めばわかるとおり、筋立てとしては意外性があるわけではない。後半に少し日常性から飛躍する瞬間はあるが、この題材も現代では散々描かれたテーマだ。

 この点、すでにこの手法が浸透した現代の観客には退屈かなー、と思った。実際に鑑賞中は退屈を感じた。

 けれども、あとからあの映画を観た時間を振り返ってみると、何だか不思議と幸福だったような気分になるから不思議だ。観終わった後から心で育っていく映画だと思う。



 最近の映画でいちばん近いのが『人のセックスを笑うな』('08)だと思うのでこの映画が好きな方は是非。





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