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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ラブ・アゲイン(★★★★☆)

 スティーヴ・カレル主演のラブコメディ。



 結論から言うと、ものすごく面白い作品ではあるけれども、完全にこの作品として完成され過ぎてしまっているため、後に何か残りにくい印象を受けた。例えば、『(500)日のサマー』(’10)や、ライアン・ゴズリング繋がりの『ブルーバレンタイン』(’11)、エマ・ストーン繋がりの『小悪魔はなぜモテる?!』('11)あたりは語り口が変わっていたり、あるいは映画的には正解とは違う方法であったりすることにより、普遍的な物語たりえていた気がする。

 一方こちらは、伏線の効かせ方も絶妙だし、笑える。ただ、その分これはフィクションだということを強烈に意識せざるを得ない。それはもちろんこの作品の特長でもある。



 最初画面を観た時に、70〜80年代の映画みたいな映像だなと思った。この絵作りがあって、非常にタイムレスな作品になっているように思う。近年の物語を大きく変えたといわれる携帯電話も一応は登場するもののメインには絡んでこないところなどにそれが顕著かと思われる。

 キャスティングも見事にはまっている。みんな本当に80年代くらいの上品なラブコメディに出てきそうな顔だ。このタイムレスな絵作りの中ではケヴィン・ベーコンが浮いて見えるのだけれども、これも役柄から考えるとこの浮き上がり方が絶妙なのだ。

 そして物語にはぐいぐい引き込まれる。男性にとって、自分が魅力的ではないのではないかというのは、おそらくは普遍的な悩みであり、そこを突いてくるところがにくい。ただし、いわゆるモテのハウツーものを期待すると肩すかしをくらうと思う。てか、正直言うと僕はそれを期待して行った部分があるので・・・。いわゆるモテ本の上澄みの上澄みをおさらいしているにすぎず、あくまでも物語を進める要素のひとつに留まる。

 それが頂点に達するのが、終盤の庭で一同に会す彼ら。ここは物語のクライマックスであり、最大の爆笑ポイントである。あるのだけれども、ここでこの物語が完全にフィクションであり、僕等の生活に影響を与える類の一種非健全で暴力的な力を持った映画ではないことがわかる。もちろんこれは無いものねだりなんだけれどね。

 こういった感じで、映画内でフィクションとして完結しているため、この映画の良さを語るには細部に留まってしまう感あり。例えば、序盤のスティーヴ・カレルが本当にダサい感じとか、ライアン・ゴズリングの『ブルー・バレンタイン』のディーンさんとは対照的なモテのオーラとか、主人公の息子の童貞っぽい顔とか、ジェシカ役の女の子のアメリカ版吹石一恵みたいな顔立ちとか、あちこちに魅力的な部分はある。これらも、芯となる物語がしっかりしているから十分楽しめるのだ。

 

 この映画の物語性は強い。きっと不満を抱く人は少ないと思うし、僕も料金分愉しめたのは事実。ただ、枕文で挙げた3作品が近い時期にあることもあって(しかも俳優がかぶっている以上どうしても連想せざるを得ない)、この評価に留まってしまったかな・・・。

 でも、面白いのは事実なのでオススメです。

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